こちらの記事では株式会社エイト代表の庭山愛子さんが、なぜトレーラーハウスと出会い起業したのか、その将来性などをご紹介します。庭山愛子さんといえば自他共に認める「環境オタク」で、とにかくエシカルやサスティナブルにこだわった生活を実践中。そんな庭山愛子さんはトレーラーハウスの先にどのような未来を見ているのでしょうか。
庭山愛子さんのこれまでの軌跡はこちらの記事にてご紹介していますので、是非チェックしてみてください!
今回は、株式会社エイトの代表である庭山愛子さんにインタビューをしてきました。庭山愛子さんは、海の日に「ブルーサンタ」というビーチクリーンイベントを主催されたり、身近なところからエシカルな選択を取り入れるため数々のプロダクトを提案しています。[…]
わたし「引越しマニア」なんです
ー庭山愛子さんは育児の最中にトレーラーハウスと出会ったとおっしゃられていましたが、具体的にはどのような出会い方だったのでしょうか。
庭山愛子さん:私は、もともと引っ越しが大好きで、2年に1度は必ず引っ越しをしていたんです。多い時は1年に2回とか(笑)
景色や環境を変えたくなるんです。でも、子どもが生まれたらそう簡単に引越しなんてできないですよね。だから、ピンタレストなどで部屋の模様替えとか、移動できる住まいとかをよく見ていて、そんな中でトレーラーハウスを見つけました。
デザイン的にはコンテナも素敵だと思ったんですが、色々調べた結果トレーラーハウスの方が魅力的に感じました。
ートレーラハウスの魅力とはどんなところなんでしょうか。
庭山愛子さん:コンテナって鉄製なんです。だから、熱がこもってしまうというデメリットがあります。
しかし、トレーラーハウスは木造のために熱はこもりません。なおかつ、車輪がついているので建造物ではなく車両扱いになります。そのため固定資産税がかからないんです。なのにエンジンはないから車検がいらない。移動時に面倒な申請などもない。もう、良いとこ取りなんです!
震度5の揺れにも動じない耐久性
ー車両って動いてしまったり、揺れたりしないのでしょうか。
庭山愛子さん:地面に固定しているので、動く心配はありません。むしろ、トレーラーは道路で引っ張っていくのが前提で造られているため、段差もカーブも、坂道も、常に震度5の地震にだって耐えられる強度で造られています。普通の住宅よりも断然強度がある造りになっているので、火災保険にも入らなくて良いんです。倒壊する恐れがそもそもないから、災害にもすごく強いです。
その上で、株式会社エイトで販売するカンバーランドジャパン製のトレーラーハウスは、日本の工場でユニットとして製造しています。1つ1つのパーツを別の工場で造って設置するのではなく、全て一貫して製造しているために安全性が高く、「日本一の安全性能」と言われています。1つの工場で完結するので、注文から納品までも最短3ヶ月ととても早いです。
トレーラーハウスは究極のサスティナブル
ートレーラーハウスはサスティナブルと仰っていますが、どういった点がサスティナブルなんでしょうか。
庭山愛子さん:造りが頑丈なのでリユース(再利用)ができる、製造の段階で発生する廃材が少ないという点でサスティナブルです。建築物って修築したり解体するときに多くの廃材が出るんです。そんな中、トレーラーハウスは耐久性が高いから内装を変えたりするだけでいくらでも使えます。
例えば、ラーメン屋さんだったトレーラーハウスを中古で買って、ピザ窯を入れてピザ屋さんにしたり、器具を取り付けて歯医者さんにしたりすることだってできます。
東日本大震災の被災地である宮城県女川町では、土地の嵩上げ工事中に開業した、とっても素敵なトレーラーハウス宿泊村*1があったりもします。これだって、プレハブの仮設住宅は役目を終えると、とり壊されて廃材となってしまうのに対して、トレーラーハウスはとてもサスティナブルな選択ですよね。
*1 ホテル・エルファロ(写真上)…宮城県牡鹿郡女川町にあるトレーラーハウスを活用した宿泊施設。
ーなるほど。これまでの居住選択に新しい選択肢が加わった感覚ですね。
庭山愛子さん:そうなんです。コロナ禍やアウトドアブームもあって、最近はトレーラーハウスの知名度も上がってきました。トレーラーハウスはどこへでも移動できるので、ワーケーションみたいな感じで、その地域や自然を楽しむ自由な生活をしたって良いと思うんです。これからは、従来の一軒家かマンション、アパートなどの選択肢に「トレーラーか」という選択肢も加わっていく、その可能性は十分にあるんです。
災害時や風の時代にフィットした暮らし
ー最近、トレーラーハウスの販売事業って本当に広がってきていますよね。
庭山愛子さん:今の時代に、トレーラーハウスはとても適していると思うんです。今、定着したものを持たない選択って多くなってきていますよね。家だって、広い土地や建物があっても手入れが大変だったり、制限されることが多かったりしますから、土地に定着せず好きな所で暮らす選択肢はとても現代的なんです。
それだけじゃなく、暮らしの変化にもトレーラーハウスで対応することができます。
例えば、親の介護が始まって同居するために家を増築したいなどというときは、トレーラーハウスを設置すればその後さらに変化が生じた際、とても簡単に復元することができます。廃材も出ずに、使い回しもできる、まさに風の時代にフィットしたサスティナブルな選択だと思っています。
***
今回は株式会社エイトの代表庭山愛子さんに、トレーラーハウスの魅力について伺いました。
庭山愛子さんは、「いつかトレーラータウンを造りたい」とも話していました。
新潟県産のお野菜などを扱う直売所や飲食店、コワーキングスペースから託児所、医療機関など、衣食住、環境に優しいライフスタイルが全て完結できる。コンパクトシティだから車もいらない。土地を買わずに賃貸にすれば若者でもハウスを持てますよね。そのエリアで循環が成り立つ、究極の地産地消ができるトレーラータウンを造りたいな。
どんどん可能性が広がるトレーラーハウス。マイホームの選択肢に加える人が、これからどんどん増え続けていきそうですね!
- 庭山愛子さん
にわやま あいこ|経営者
1982年新潟生まれ。新潟大学経済学部経営学科中退。新卒で百貨店アパレル勤務の後、産業廃棄物の中間処理施設の経営に携わる。ISO 品質/環境の管理責任者として新規取得から更新まで7年間担当。その後、社内ベンチャーとしてトレーラーハウスの販売事業を行い、約2年後に独立して株式会社エイト創業。フリーでヨガインストラクターやフォトグラファーとしても活動中の2児の母。
株式会社エイトHP:https://e-ight.jp/
7月18日海の日、海さくらが主催する「BLUE SANTA2022」にniigatabaseの編集部メンバーが参加してきました! 今回は、イベントの概要や主催団体「海さくら」の活動、参加する中で感じたことなどをご紹介します! &[…]