大学1・2年生と考える「働く」ってどういうこと?インターンシップ体験会をレポート

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近年の就活市場では「インターンシップ」という言葉をよく耳にしますが、みなさんはご存知でしょうか。調べてみると、こんな説明が出てきました。

インターンシップとは
興味のある企業などで学生が実際に働いたり、訪問したりする職業体験のことです。
実際の業務や働く環境の体験を通じて、業務内容や働くことの理解を深めることを目的としています。
参考:「インターンシップとは?種類や意味、応募の仕方について」

学生側・企業側の双方にメリットがあるインターンシップは、年々受け入れる企業が増えてきており、今や就活市場のトレンドと言っても過言ではありません。

今回は、新潟県内の企業を対象に5日間にわたって開催された「新潟の企業の魅力を探る インターンシップ体験会」についてレポートします。

「インターンシップ体験会」ってどんな取り組み?

今回の取り組みは、就活前の大学1・2年生を対象に新潟県内の企業の魅力を探るべく「インターンシップ体験会」として企画されたものです。大学生が実際に見て・聞いてみないと分からないことや、分からないから調べることもなかったことを知るべく、「新潟地域連携コミュニティ」によって開催されました。

参加対象者
新潟県内の大学へ通う学生 または 新潟出身者で県外の大学へ通う学生(いずれも大学1・2年生)


スケジュール
1日目:事前学習
インターンシップに関する事前レクチャー・訪問先企業のWEB調査など
2〜4日目:3社程度の企業訪問
経営層による講話・就業体験・事業所見学・業界研究など
5日目:事後学習・成果報告会
振り返り・グループ発表・意見交換など

まずは、この取り組みについて運営事務局の山田さんにお話を伺ってきました。

ーー今回の「インターンシップ体験会」とは、どういった取り組みなのでしょうか?

山田さん:この「インターンシップ体験会」のコンセプトは、就活を始める前の大学1・2年生に新潟のさまざまな企業・業界の魅力や強みを知っていただき、自らの職業観への新たな気づきを得てもらうことです。そして、「働くこと」そのものの視野が広がったり、大学3年生以降の就職活動やその後のキャリアビジョンに繋がるものを学んでもらえたら嬉しいですね。

参加してくださっている企業様からは、「他の企業様と合同で開催することにより自社だけで開催するインターンシップとは違い、忖度のない学生の反応や意見が聞ける」や「インターンシップの受け入れはあまり経験がなかったが、コースの一部として組み込んでもらえることでこちらも体験的に参加できた」などのご意見を頂戴しております。

ーー参加した学生や企業の双方にとって次に繋げてもらうきっかけとして機能しているのですね。この取り組みを運営されている「新潟地域連携コミュニティ」とは、どんなコミュニティなのでしょうか?

山田さん:「新潟地域連携コミュニティ」とは、新潟県が抱える人口減少などの問題に取り組むために産金官学が集まった機関です。主には、情報交換や勉強会などを開催したり、自治体と大学を繋ぐプラットフォームとしての機能を果たすことで、新潟の若者雇用や育成を目指しています。

実は、この「インターンシップ体験会」もコミュニティ内で開催した勉強会の中で出てきたご意見から始まった企画でもあります。

(他にもさまざま取り組みや活動をされておりますので、ぜひ公式HPもチェックしてみてください!)

ーーでは今後、この「インターンシップ体験会」に期待することはどんなことでしょうか?

山田さん:学生たちの視野が広がり、今までは調べようと思っていなかった業種にも、可能性の扉を開いてもらえるようになったらいいなと思っています。

インターンシップ体験会をする中で、実際に「自分は文系だから製造業などは就職先ではないと思っていた」などの声を聞くことが多くあります。そんなふうに、学生が思い込んでしまっているハードルを、より低く薄くしていけたら嬉しいです。
そして、実際に就職活動が始まった際は、専門分野で自分自身を括ってしまうのではなく、さまざまな分野やBtoBの業種なども調べてみたり、興味関心を持ってくれるようになっていただけたらいいなと思います。

何より、この5日間のプログラムを通じて、より多くの学生に「社会人と話すことってそんなに難しいことじゃないんだよ」「みんな新潟の企業をもっと知ってほしい、と純粋に思っているんだ」と感じてほしいです。
そして、今後はより多くの学生さんに参加していただくために、新潟エリア・長岡エリアから県内全域に展開していきますので、ぜひ少しでもご興味がある方は参加してみてください。

実際のインターンシップ体験の様子

実は今回のインターンシップ体験会、弊社(株式会社shabell)も受け入れ企業としてエントリーしました。
まずは弊社のインターンシッププログラム概要をご紹介します。

運営メンバー
ナビゲーター:弊社COO ヘレンさん
サポーター:HRS事業部 もえさん


進行プログラム
導入:自己紹介・目的確認
情報収集:企業説明・人材業界や事業内容の説明
就業体験①:仕事内容の説明・商談準備
就業体験②:提案を行う・振り返る

ここからは、その様子をレポートしていきます。

スタート時の様子です。学生の皆さん、まだまだ緊張気味(笑)

そんな中、導入プログラムの「自己紹介・目的確認」へ。

ここでは、各グループごとにみんなの前で自己紹介する際に話す項目を3つ決めています。大学名・学部学科・好きな食べ物・・などありきたりなものはNGに設定されているため、みんな「今、ここで、どんな自己紹介をしたらいいのか」真剣に考えています。シンプルだからこそ、悩みますよね〜

実際の自己紹介は、皆さんそれぞれに個性が詰まっていて素敵でした!

そして、今回のインターンシップの目的確認。一つ一つのプログラム内での目的をインプットとアウトプットそれぞれに確認します。

しかしここで、ヘレンさんから参加学生さんに問いが出題されます。「今回、shabellのインターンシップ体験会を通じて、私が皆さんに伝えたいことはなんでしょう?」この答えを探りつつ学生のみんなは参加していくことに。

続いてのプログラムは、企業説明です。参加してくれた学生たちの多くは「人材業界って何なのか分からないので、知りたかった」などと話してくれていました。「人材業界」って聞いてもちょっと想像し難いですよね。

とはいえ、人材業界やshabellの事業説明って、学生たちにとっては就活という近い将来にかなり役立つ情報ばかりなので、みんな情報を回収するのに大忙し!

続いては、いよいよ就業体験プログラムです。

ここでは、実際にshabellのクライアント様が抱える課題について、リサーチをした上で学生たちなりのアイディアをまとめます

最終的には、クライアント様とオンラインで中継を繋ぎ、各グループでまとめたアイディアをご提案し、フィードバックを受ける、というプログラムです。

実際にクライアント様へ提案する際は、みんな緊張したでしょうが素晴らしい奮闘ぶりでした!

最後は、ナビゲーターのヘレンさん、サポーターのもえさんが学生たちとそれぞれ座談会形式でざっくばらんにいろんなお話をする時間
仕事を選ぶ際の話や、自分のやりたいことと実際の仕事内容に関する話など、具体的なことから価値観やマインドの話まで、、

「インターンシップ体験会」全行程の最終プログラムは、インターン体験会で得られた学びの共有やブラッシュアップを図るための報告会があります。

参加学生と受け入れ企業の方々が集まり、事前に学生たちに提示されていた共通テーマについて、それぞれのグループが発表するなど充実の内容で全プログラムは終了です。

参加した大学1・2年生の声

今回「インターンシップ体験会」に参加された学生たちに、参加してみた感想などを伺ってきましたのでご紹介します。

ーー今回、どうして「インターンシップ体験会」に参加しようと思ったのですか?

県内大学2年・Iさん:私はもうすぐ大学3年生になり、いよいよ就活が始まるのですが、インターンシップなどに参加したことが一度もありませんでした。正直、「インターンシップ」って自分をジャッジされるようで少し怖いイメージを持っていたんですが、今回は「体験会」という文言がついていたこともあり、どういうものかを知りたいと思って参加しました。

県内大学1年・Sさん:私は、同じ学部の人が多く参加するという理由もあったのですが、将来県内で就職するか県外に出るか迷っているので参加してみました。今回の経験が、これからの参考になるかなと思ったんです。

県外大学1年・Nさん:私は県外の大学に通っているので、なかなか新潟の就職に関する情報は入ってこないように感じていました。また、私の学部は公務員になる人が多いこともあり、たくさんある民間企業を見ずに公務員を目指していいのか、民間企業ならば県内か県外か、などと漠然と不安を感じていました

そういったこともあり、元々こういうところに参加するのはすごく苦手なのですが、春休みの帰省中に勇気を出して一歩踏み出してみました。

ーー実際、参加してみてどうでしたか?

県内大学2年・Iさん:これまで企業を調べるときはBtoCの企業ばかりに目がいってしまっていたのですが、今回のイベントにはBtoBの企業様が多く、自分たちが知らないだけでこれだけの企業や業種があることを知れました
また、同い年や一つ下の子たちといろんな話ができて、みんなの真剣な考えを知れてよかったし、いろんな社会人の職業観を聞いたことで自分の職業観も広げられてよかったです。

県内大学1年・Sさん:今まで、インターンシップを今の時期からやっていると聞くと「意識高い系」と見られるように感じていました。でも、実際に来てみたらそんなことなくて、参加学生たちも私と同じようなことを考えている子達ばかりだということを知れて安心しました。また、企業の業務体験もできて、聞くだけじゃ分からなかったことを知れて、とてもいい経験になったと感じています。

県内大学1年・Iさん:「働くこと」の中身を知れように感じられて、とても良かったです。例えば、学生がよく抱く「どういう仕事がいいのか」という疑問に対しても、実際に働いている方から話を聞くことで、今までは考えられなかった視点や価値観を知ることができました。また、自分が大学生活での目標にしていることも、社会と照らし合わせて間違ってはいないと感じることができて、改めて目標が定まった気がしています。

県外大学1年・Nさん:勇気を出して一歩踏み出して、本当に良かったと思います。自分が行動を起こしたことでいろんな人と話ができて、いろんな社会人の話を聞くことができました。日常のフィールドの中から飛び出してみたからこそ、外でしか体験できないことを知ることができたのだと感じています。

インターン体験会を通じて

今更ですが、記事中盤にナビゲーターのヘレンさんが学生に出した問い「このインターンシップ体験会を通じて、ヘレンさんが学生の皆さんに伝えたいこととは?」に対する答え、みなさんだったら何だと考えますか?

私自身は、まとまりなく色々と考えてしまっていたのですが、答えは「考えることの大切さ」でした。しんぷる!

振り返ってみると、今回のインターンシップ体験会のプログラムでは、一つ一つに”考える”アクションが細かく組み込まれていました。
多くの学生たちが思い込んでいる「安定した仕事がいい」「給与は高い方がいい」などの固定観念にも「なぜ?」と問うことで、今まで考えてこなかった気づきを得ている様子もチラホラ見えたように思います。

学校で取り組む勉強のように、確実な答えを導き出すために”考える”と、
仕事や日常の社会で直面する、確実な答えなどはない課題に対して”考える“は異なります。

実際の就業体験を通して自ら体感することで、言葉で知る以上の学びや今後のきっかけとなれていたら嬉しいです。