新潟で起業した若者たちが、揃って口にする「SN@P(スナップ)新潟」という会社をご存知でしょうか。
shabellbaseで以前ご紹介させていただいた、株式会社pepo代表 木村愛子さんもスナップのサポートを受けて起業された方の1人です。
木村愛子さんは記事の中で、「スナップを通して出会った横のつながりに支えられた」と話しています。
スナップ新潟とは、起業したい人にどんなサポートをしている会社なのか、“横のつながり”とは何なのか。
スナップ新潟で起業支援をする荒川さんにお話を聞いてきました!
最近は「小学生起業家」といった言葉も耳にする時代。やりたいことに挑戦できる可能性は誰もが秘めています。
「内容は決まっていないけど起業がしたい」「やりたいことはあるけど、ふさわしい会社が見つからない」と悩んでいる人は、ぜひこの記事を読んでスナップの取り組みを覗いてみてください!
スナップ新潟ってどんなところ?
ースナップが行っている起業家支援の仕組みを教えてください。
荒川由晃さん:スナップ新潟は起業したい人のために、目標を実現しやすい環境、頑張り続けられる環境を創り出している会社です。
当社が運営するコミュニティサロンには、起業したい人(以下、起業予備軍)や起業したばかりの人、その支援者たちが参加してくれています。支援者には、実績を築いた起業家や、会社経営に精通した方などさまざまです。オンライン上に存在するコミュニティサロンにて、起業予備軍の方がそれぞれの活動を報告したり、情報交換を行うことができます。
いきなり支援者の方々へ相談することにハードルを感じてしまう人は、まずは同じ起業予備軍の人たちと、または少し先を歩んでいる先輩起業家の方々と交流する。そんな感じに横のつながり同士で意見交換し合うことも、起業という目標に向けた着実な前進です。
ー環境を創り出す会社として設立されたのには、どんな背景があったのですか?
荒川由晃さん::スタートアップに関する調査で、「起業するにあたってキーマンとなった人は誰ですか」という質問に対して、1/3が「身近にいた人」さらに1/3が「志が同じ仲間」と回答した結果が出ています。つまり、どんな環境に身を置いているかが起業を成功させるにはとても大切になってきます。行政書士や、中小企業診断士などのスペシャリストに設立に関する相談はできても、そこにたどり着くまでの部分で、志や事業計画を話せる場が必要です。新潟を盛り上げていくためにも、僕らでそういった場を創っていこうと出来上がったのがSN@Pです。
オンラインで作り出す、起業できる環境とは
ーコロナが蔓延する前から、コミュニティサロンをオンライン上で運営していたSN@Pですが、オンラインで展開するにはどんな目的があったのでしょうか?
荒川由晃さん:会社を興して高成長を目指すには、より刺激的で広範囲な人との繋がりが大切です。地方にいても首都圏の人と繋がれる、大学キャンパスにいても先輩起業家と繋がれる、そんな環境を整備するためにオンラインは必然的な選択でした。
ーオンラインサロンとは、具体的にどんな環境なのでしょうか?
荒川由晃さん:一つはSlackというツールを活用して、テキストコミュニケーションをとっています。チャット形式で会話ができる仕様になっているので、自己紹介をしたり、活動報告をしたり、相談をすることができます。事業のことから、雑談まで、日々いろんな会話が繰り広げられています。このツール内では、スタンプでリアクションすることもできます。LINEで使うスタンプやSNSの「いいね」みたいなものです。そのうちの一つに「コイン」スタンプがあります。これは独自で運用しているコインシステムに連結しており、1コイン=100円相当の価値があり、自分に対して何コイン付与されているのか確認することができます。この仕組みを使って、溜まったコインを活動資金にしたり、社会的信用スコアとして提示することもできます。
もう一つは、zoomでの対面コミュニケーションです。SN@Pでは、24時間常にzoomを繋いでいます。Slackで支援者や起業予備軍同士の都合を調整し、zoomにアクセスしてコミュニケーションを図れます。ブレイクアウトルームも出入り自由なので「〇〇さんと面談です」とそれぞれアクセスして、個別面談をする方々も多くいらっしゃいます。
どんな人が登録しているの?
ーサロン会員は何人くらいで、どんな方々が多いのでしょうか。
荒川由晃さん:起業予備軍として登録している人は、現在175名います。支援者は約80名です。175名の予備軍のうち、70%以上が学生です。年齢制限や居住地による登録制限などは設けていません。起業し、その後の高成長を目指している方、お互いを認め合って切磋琢磨していく意志のある方はぜひ参加してほしいと思っています。
また、最近はスナップを活用して起業された方が、支援者となりコインを渡す側になってくれたりもしています。「自分が受けた支援を、今度は提供する側として繋げていきたい」という想いや、「あの先輩のように、自分も支援側にまわれるように頑張る」といった想いなど、とてもいい流れが形成されつつあるように感じております。
ー実際にそのコミュニティにいる起業予備軍の方々は、起業に向けてどんな一歩を踏み出せているのでしょうか。
荒川さん:例えば先ほど説明したコインシステムを使って得た資金で、沖縄へ行ってピッチに参加し、そのまま資金調達を決めてきた方などがいます。また、起業予備軍の方々は毎日何かしらの活動をしています。その活動内容がサロンの中で報告され、zoomで相談されています。一人一人が自分のペースで行動を起こし続けています。
ーどんな事業で起業したいのか明確には決まっていないけれど登録している、といった方などはいるのでしょうか。
荒川由晃さん:たくさんいます。登録者を対象に実施しているアンケートでは、「事業案を考案できていない」という回答が多く見られます。事業案を作ることは、とても難しいことです。だからスナップ新潟では、起業予備軍の方々のフェーズに合わせて、相談相手を紹介したり、一緒にアイディアを考えたりする取り組みにも力を入れています。
我々が大事にしたいことは、起業の志を持っている人が諦めずにチャレンジできることです。例えば今日も、とある学生がチャットメッセージにて「今日オフィスに相談しに行っていいですか?」とアポイントをとり、相談後は「ありがとうございました」と送ってくれました。その一連の流れだけでも、我々やそれを見た支援者から4コインが付与されているのです。
このように、自ら考え、行動すること、そしてそれを認め合う環境、これが最も大切なものだと思っています。
ー何の分野で事業を興す人が多いのか、傾向などはありますか?
荒川由晃さん:どこかの分野に傾向が偏っていたりすることはないと思います。私の主観としては、地域貢献とか、リアルを意識している人が多いのかなという印象があります。Webを活用したサービスは多いですが、あくまでも主軸はリアル世界に置いている人が多いです。
例えば、ビール粕の再利用サービスを提供したり、サウナストーブを作ったり、副業のマッチングサービスを展開したり、いろんな事業案があります。
起業を目指す仲間に出会おう!
ー起業予備軍の方々と接する上で、どんなことを大事にされていますか。
荒川由晃さん:基本的に本人の想いを大切にすることを心がけています。特に学生たちにとっては「起業しよう」と思うこと自体が簡単なことではありません。私がこれまでに接してきた学生たちからも、「スナップ新潟に辿り着くまでは、起業に関することを相談できる人がいなかった」とか、「“意識高い系”と言われて、浮いているように感じた」などの話を聞いたことがありました。大学3年生の後半から就活を始める環境下で、1年生のうちから「起業する」というと、周囲から驚かれることもありますよね。
そんな中で、スナップ新潟に来てくれた若者には「よく来たね。その行動力とチャレンジ精神は間違いなく正しいよ」ということを伝えるようにしています。
その一方で、社会に出る上での最低限のマナーは伝えるよう努めています。飲食などサービス業のアルバイト経験などがあれば、マナーを教わる機会もあると思います。しかし社会人と接する機会が少ない方にとっては、なかなか教えていただく機会がありません。地方でビジネスを始めるならば、人間関係や人との繋がりは最も重要です。ホスピタリティという観点から見ても、最低限の人付き合いとマナーはきちんと教えるようスナップ新潟の運営側として意識しています。
ースナップ新潟のコミュニティサロンに飛び込もうか悩んでいる人がいたら、どんなメッセージを伝えたいですか?
荒川由晃さん:同じような不安を抱え、でも志を抱いているから飛び込んできた人がたくさんいます。その人たちと出会うために飛び込んでほしいです。スナップ新潟には、起業を諦めさせない環境があります。どんな事業で起業したいのか明確に決まっていなくても大丈夫です。面白くて刺激的で、挑戦している人たちがたくさんいるので、ぜひ会いにきて欲しいです。
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今回は、株式会社スナップ新潟の荒川由晃さんからお話を伺いました。
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なお、今後もスナップの起業支援を経た若手起業家を取材し、起業前の取り組みや、起業後の事業についてのお話をご紹介していきます!
「自分の会社を興したい!」「新潟の若手起業家を知りたい!」と思う方は、ぜひチェックしてみてください。
株式会社SN@P スナップ新潟 HP:https://snap-niigata.co.jp/