リンクチャネル代表 入倉孝行さんのプレイヤーからリーダーへの道

「入社初年度の私は、社内イチのクレームメーカーでしたよ」

そう自身を振り返るのはリンクチャネル株式会社代表の入倉孝行さん。
リンクチャネルは、リユース業界の大手ハードオフグループのオムニチャネル『”Re”NK CHANNEL』構想実現のために立ち上がった会社。システム開発を通じて未来の創出を図る。

入倉さんは大学を卒業後、株式会社ハードオフコーポレーションに新卒入社。当時異例の速さで店長へ就任し、現在はグループ会社の一つであるリンクチャネル株式会社の代表を務める。
この記事では、そんな入倉孝行さんにお話を伺い、輝かしい成長を遂げる企業と共にあった約20年の、”店員さん”から”代表”になるまでの道を辿る。

入倉 孝行 Irikura Takayuki
1977年生まれ、新潟県出身。株式会社ハードオフコーポレーションに新卒入社。2002年4月、店長に就任。その後、店舗運営業務全般指揮、海外店舗立ち上げ店長などを経て2019年より”Re”NK CHANNELプロジェクト参画。2020年4月よりリンクチャネル株式会社代表に就任。趣味はゴルフ、野球、音楽鑑賞。

 

会社を辞めて起業する計画があった

ーー入倉さんは新卒でハードオフに入社され、そこから経営者のお一人になられていますよね。入社当初から起業や経営への興味をお持ちだったのでしょうか。そもそも、入倉さんはどんな想いでハードオフに入社されたのですか?

入倉孝行さん:ハードオフの入社面接では「10年で辞めて社長になりたいです」って言ってましたね。
本音を言うと就職活動にはあまり積極的ではなくって。私が大学4年の時って、いくら頑張っても就職する前にノストラダムスの大予言で地球が滅びる年だったんですよ(笑)
就職氷河期なんて言われる年でもあったので3社しか受けていませんでした。
その中でも(ハードオフを)選んだ理由は、これからの時代はエコだと思ったからかな。
私が就職活動をしていた頃は、リサイクルが大事だよねっていうのが世の中にちょっとずつ出始めた時期なんですよね。まだまだリユースって言葉も定着していない時代。そんな思いからハードオフを受け、入社を決めました。

ーー社長になりたいという意識は元々おありだったんですね。どうして社長になりたかったのですか?

入倉孝行さん:若かりし頃に考えていたことなので、「自分の思い通りにやってみたい」とかそんなところだったろうと思います。ですが、人の上に立ってマネージメントをしたいという意識はゼロではなかったですね。

ーー「10年で辞めて社長になりたいです」と入社された入倉さん。どんな新人さんだったのでしょうか?

入倉孝行さん:社員ナンバーワンのクレーム王でした。当時ハードオフに在籍してた先輩たちの中では有名な話で誰もが知っています。あの時はひどかったよねって口を揃えて言うぐらい。

ーー今の入倉さんから想像もつかないですね。

入倉孝行さん:いま人の上に立っているのが不思議なくらいです。自己中心的な考えでしたし、お客様との掛け違いからトラブルも多かったんですよ。目つきが悪くて、店長と当時の部長とお客様のご自宅に謝りに行ったこともあります。その件においては具合が悪かったことが理由なんですけど、それが大クレームになって。1週間ぐらい部長まで巻き込んで 処理をしていただいたなんてこともありましたね。

 

働く目的、スイッチが切り替わった瞬間

ーーでも、その約2年後には異例の速さで店長になられていますよね。この間になにか変化があったのでしょうか。

入倉孝行さん:2000年入社で、3年目の4月に店長になったのですが、この年の1月にプライベートでは子供が生まれていました。守るべきものができたことで、自己中心的だった考えから「家族を守る」にスイッチが切り替わったんですね。ここから全部いい方向に変わっていき、店長に抜擢してもらったという感じです。
新卒3年目で店長っていうのは、当時最速でいまでもこれは破られていないはずです。
店長になることができたのは、千葉の店舗での経験が大きいですね。

ーー新潟で店長になる前の店舗ですね?

入倉孝行さん:はい。その千葉の店舗は新規出店かつ当時の店長が新任店長だったので、私も経営に参画したりして半分店長みたいになっていました。今思えば店長はやりにくかっただろうなと思うのですが、早い段階で店長業務を考えて行動できたこの経験は今にも活きています。

マネジメント側へのステップアップ

ーー若くして店長という役職に就いた入倉さん。入倉さんの「仕事に対する責任感」とは何でしょうか。どんなことを意識してやってこられたのでしょうか。

入倉孝行さん:責任感っていうのは、それはもしかしたら後付けなのかもしれないですね。
私は結局のところ「言行不一致」がすごく嫌で。自分がそうならないように、言動と行動が一致するよう意識しています。
例えば、会社に対して色々なことを言う時に、そうは言っても君これできてないじゃない、なんて言われるようだと聞いてもらえないですよね。それが嫌なので、やるべきことはちゃんとやった上で物申すことを突き詰めてきたといった感じです。
この言行不一致を意識するようになったのも店長になってからですかね。

ーーそこからさらに現場のトップ、そして経営層へ。転換期はあったのでしょうか。

入倉孝行さん:弊社でいうと、店長の次に加盟法人様を指導するスーパーバイザーになるんですよ。
運営の補助だけではなくて、経営指導もしなきゃいけない。入社以来、損益計算書などは毎日目にしていますし、意識さえしていれば経営者意識は知らず知らずについていきました。そしてスーパーバイザーの後は、3つ4つの拠点を全部見る統括店長になり、ここでも運営状況や損益をしっかり見て。ある程度影響を与える喜びを感じながら、会社と共に自分も成長することができました。
その中で、ある程度慣れたら次のステップを見ながら仕事をする癖を早めにつけていました。
人生って階段で、どこを目的地にするかがすごく大事だと思うんです。例えば、定年までに”店長”を目指すのか、10年以内に”スーパーバイザー”や”統括部長”を目指すのか。それによって歩みの速さも階段の段数も違いますよね。

 

リーダーとしての自分なりのカタチ

ーー階段を順調に歩まれてきたように見える入倉さんですが、壁にぶつかった経験などはあるのでしょうか。

入倉孝行さん:統括店長をやっている時、たまにしか会わない人に自分の考えや教えを的確に伝えるにはどうすればいいか、そして上手に育成したり、褒めるにはどうすればいいかを考え実行できるようになるまでが一番悩んだかもしれないですね。
毎日一緒にいるわけではなく、年数回しか会わない人や初めましての人に、いきなり私の言うことを聞いてもらわなければならない。どうすれば伝わるか悩みましたね。
私の場合は、スタッフさんのことは必ず名前で呼びかけるようにし、相手を認識していることを知ってもらうよう実践していました。そうすると、話を聞く気になってくれる人の割合が多い。
これは一番悩みましたし、結果的に自分の財産になっていて、今でも心がけていることの一つですね。

ーー現在代表を務めていらっしゃるリンクチャネルさんは、ソフトウェア開発をされていてエンジニアが多いですよね。そこではどのようにリーダーを務めていらっしゃるのでしょうか。

入倉孝行さん:私自身、実は高校で情報処理科を出ており、国家資格も持っているんです。なので、営業マンとエンジニアの間に入れるぐらいの両者の考えを噛み砕く能力は有していると思っています。繋ぎ役をやっている感じですかね。

ーー勝手ながら、エンジニアが多いチームでは対人的なコミュニケーションよりも非対人的な技術開発などの方が得意そうなイメージを持っているのですが。

入倉孝行さん:それを払拭するために、親会社と同じ評価制度を導入しました。
まだ運用し始めたばかりですが、営業と同じように積極性や人となりも評価に入っています。
やはり、皆さんが持ってるようなエンジニアへのイメージを払拭しなきゃいけないと思っていて。将来的にチャットGPTなどの人工知能がエンジニアの業務を行えるようになったとき、人間による付加価値をつけていかなければなりませんよね。皆がご飯を食べられなくなると悪いので、基礎力を高めるべく今は指導している段階です。そうなれば、この先弊社を辞めたり、独立したとしても、その人が人生に困ることはないと思い、重視しているところです。

ーーでは最後に。これからどういった組織を、そしてどういったご自身の未来を目指していらっしゃるのか教えてください。

入倉孝行さん:まず、現在36名の弊社の社員を、50名、そして100名の企業にすることを1つの目標にしてます。そして、ハードオフグループの仕事に頼らず一本立ちできるような会社にしたいです。その時には、理想として社内から生え抜きで社長が立っていて、私自身はまたグループの中で別のビジネスができていたらと描いています。新しいことに挑戦していくことが癖になっているんですよね。
我々があたりまえに商売として30年やってきたエコが、いよいよ社会のインフラとして役割を発揮する時がきたと思っています。やはり、社会の役にたっていきたいという野望はあります。もっと言えば新潟のために。新潟から日本、そして世界に。我々はそれができる立場にあるとも思っていますね。

 

◯所在地 本社
〒957-0063
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TEL: 0254-24-4344
◯ハードオフ未来ラボ
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(取材・校正:ayaka 編集:junko)