”(ここで働く理由とは?)正直わからないです。それを日々模索中(笑)
でも結局のところ、ここが好きだから、なんでしょうね。”
そう話す星亜矢子さんは、株式会社ニイガタ移住計画の取締役。
当メディア編集部も普段からワーケーション場所として重宝させていただいている、関屋浜にある海の家のコワーキングスペース「Sea Point NIIGATA」。
その運営母体でありつつ、新潟市の移住や創業などに関する委託事業も請け負う同社。経営や運営を、縁の下の力持ち兼エースプレイヤー兼リーダーとして支えるのが星さんです。
こちらの記事では、そんな星さんの働き方やキャリア観から新潟の働くと生きるをアップデートします。
ニイガタ移住計画の事業について
ーーニイガタ移住計画の事業内容を教えてもらってもいいですか。
星亜矢子さん:ニイガタ移住計画の概要からお伝えをすると、カフェやバーベキュー等の飲食事業とコワーキングスペースの運営事業がメインの事業となります。コワーキングスペースは新潟市特定創業支援機関の認定も受けています。また、これまで経験してきた事業としては、新規事業部の立ち上げ、移住関連のお仕事などもさせていただいたことがあります。
ーー色々な事業をされているのですね。星さんは主にどんな部分を担っておられるのでしょうか?
星亜矢子さん:そうですね。ご案内した事業の他にもWeb制作や、起業家団体の事務局等携わらせていただいていますが、主には関屋浜にある海の家のコワーキングスペース「Sea Point NIIGATA」、新潟駅ビルに入るカフェ「Sea Point YORIMICHI」の2店舗の、企画や運営オペレーションを組んだり、ご依頼いただいた委託事業の対応、経営数字の確認等経営全般に関わることを担っています。
いろんなことをしていますが、特に店舗の現場に関することは何よりも重要と考えていますので、現場に入ることもあります。現場に入らなければ気づけないこともたくさんあるので、お客様とのコミュニケーションやスタッフの様子を確認することはできる限り大切にしているつもりです。
自分の付加価値は何か
ーー元々パートスタッフとしてジョインされ、数年後には経営者として会社を率いる存在になられた星さん。経営の視点や、マルチな業務の数々は、これまでのどのような経験が活かされているのでしょうか?
星亜矢子さん:経営面においては、約8年間の事務職経験が今に活きていると感じます。
全国展開している会社の新潟支社立ち上げ期から関わり始め、会社の中枢を見ながらいろんな業務に触れさせていただけたキャリアでした。
そこで売り上げがどういうふうにできていて、どういった経費が出ていくと利益がどれくらい残るとか、現場は1日どれくらい売り上げないと会社が回らない、ということを叩き込まれました。ただバックオフィスだけでなく、電話受付で自社サービスの案内をしたり、最初は1人だったので、言われたことをやっていればいい状況でもなくて、そこで企画的要素の根幹は培われたんじゃないかなと思っています。
そもそも立ち上げ期に10数人だった社員が今は50〜60人規模の会社になっていたり、工場も増設したりするくらい、まさに勢いづいていく過程の仕組みづくりをやらなければいけなかったので、そういった中でマインドや働く意識も形成されていったように感じます。
ーー事務職からライターやWEB制作に転身されたのは、どうしてでしょうか?
星亜矢子さん:結婚や出産を機に自分のキャリアスキルを見直した際に、もっと自分に付加価値をつけていきたいと考えたんです。今でこそ、事務職で本当にいろんなことをやれたと思っていますし、いろんなスキルをつけられたように思いますが、当時は私でなくても同じ成果が出せるような、漠然とした不安を感じていたんです。
仕事で報酬をいただくということは、自分に何かを生み出せる価値がある上で成り立つものだと思っています。子供を産んで子育てが落ち着いた40代の私が、例えば転職しようとしたときに雇ってもらえないのではないかと思い、子育て中に何かしら「自分の価値を感じてもらえるスキル」を身につけておかないといけない、と考えていました。そして、子供がいながらもできることはなんだろうと考えた際にライターへ挑戦してみようと思ったんです。
webライティングを学ぶうちに、SEOやweb制作の裏側の知識の壁にぶち当たったので、職業訓練校でweb制作を学ぶことにしました。
web制作の知識をつけるうちに楽しくなり、卒業後も様々な経験を経て最終的にフリーランスとして活動するようになりました。
子供を連れながらも、できる限り勉強会などには参加していて、その中で出会った方々に背中を押してもらえたり、出会いを繋いでいただく中でSea Point NIIGATAと繋がったんです。
ーーニイガタ移住計画は、そういった出会いの先にあったのですね。
星亜矢子さん:今の私は、自分が活動した中で出会った人たちに背中を押してもらった結果でしかないと思っています。
ライターをやっていた時も、業務からの派生で和歌山の方と親しくなり、いろんな相談をさせていただく中で職業訓練校に通う背中を押していただいたり。
子連れで勉強会に参加していた時も、私自身はすごく場違いだなと感じていたのですが、とある方が「あなたはここにきたことが大きな第一歩だね」と応援してくださったり。
誰から、どう求められているのか
ーー出会いから積み上げられている星さんのキャリアですが、その中でご自身にとってのキャリアの軸はなんでしょうか?
星亜矢子さん:自分にできることの中で、価値があると思ってもらえることはなんなのか、この考えが軸になっている気がします。「価値=お金」ですから、お金になることは何なのかと問い続けることは私自身の基軸です。そこに加えて、自分で選択して働いている感覚も今の私には大切な支点になっていると感じます。
フリーランスを経験して経営者になっているので、元々いい意味で雇用時間の感覚がないんです。実際に今、代表が子育てに対してすごく理解があるので、子育てとの時間を調整しながら働いています。家事や子供のことをやりたい時間と、動ける時間の折り合いをつけながら働けていて、だからこそ結果で返さないといけないという自覚も強くなりますね。これは、ぜひ多くの人に理解してほしいことでもあります。
今の日本国内の雇用は売り手市場かもしれませんが、グローバル化や人工知能の発達が進む未来で、自分を採用することのメリットを企業にどう提供していけるのか。その意識こそが雇用する側とされる側の両者でWin-Winの関係を作っていくことにつながると思うんです。
ーー星さんがニイガタ移住計画で働く意味とはなんでしょうか。
星亜矢子さん:え、正直なところ「よくわからない」が答えかもしれないのですが、いいのかな(笑)
自分自身に対して、こうありたいなどの考えもなくはないのですが、それ以前にSea Point NIIGATAだったら、この会社だったら、すごくたくさんの方と関われるし、何よりその人たちが必要としてくれているから、ここにいるんでしょうね。
あとは、スタッフを雇用している立場でもあるので、その責任感もあります。
しかし、私個人のことを考えると、「なんでこんなしんどい思いをしながら働かないといけないんだろう」ってふと本気で思う時もあります(笑)
自分達が経営している会社で、やってもやっても個人の報酬に結びつかない時は、どこかに就職した方がよっぽどいいのではないかと思います(笑)でも、何よりも自分達のせいなので仕方ないですけど(笑)
結局、Sea Point NIIGATAの目指す方向性とか、お客様もスタッフも関わってくれているたくさんの人たちが好きだから、それが働く意味になっているんだと思います。
役員なのに、この質問に答えられないのはよくないのかもしれませんが、それが今はわからないし、わからなくていいとも思っています。日々模索して、それが変化していってもいい。考え続けてその時々の答えを出し、それによってさらに変わっていくものだと思います。
ーー星さんは仕事をしている上で、何を大切にされていますか?
星亜矢子さん:自分が店舗に立っていなくても、やはり現場(店舗)はすごく大事だと思っています。
お客様と向き合うことから代金をいただいているので、企画や型だけを作っても結果は出ないと実感しています。
自分達のやりたいことをやったらいいのではなく、誰からどのようにお金をいただいているのかを理解し、そこに真っ直ぐ情熱を向ける、その姿勢こそ何よりも大切にしていることです。
〇Sea Point NIIGATA
〒951-8134 新潟県新潟市中央区関屋1-24
〇Sea Point YORIMICHI
〒950-0086
新潟県新潟市中央区花園1丁目1−21 CoCoLo南館 1F
\ TOPICS /
飲食スタッフ・アルバイトスタッフを募集しています!やる気次第で起業や経営も学べます。
ご興味がある方は、お問い合わせください!
採用担当/鈴木
今回お話を聞かせてくれたのは、こちらの方!
長野県出身。株式会社ニイガタ移住計画の共同経営者。多彩なキャリアを活かして、移住や起業イベントにも数多く登壇しており、代表取締役の鈴木さんとともに店舗業務や広報、企画、WEB制作の仕事も担当している。
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