エシカルな生活を体現する稲葉リカさんが「LACCO STORE」で目指したい姿とは

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今回取材させていただいたのは、ベジタリアン(プラントベース)の食事、ゼロウェイスト生活、脱自動車移動など、サスティナブルな視点で活動をされている稲葉リカさん。

エシカル消費、サスティナブル、脱炭素、、、
私たちは、地球に住み続けるために、いま行動を変えていかなければいけない。

そう認識はしていても、私自身は今日どのくらいアクション出来たのか、と問われると、正直たいしたことは言えません。

そんな時、エシカルな生活の体現者、稲葉リカさんがゼロウェイストのポップアップストア「LACCO STORE(ラッコ ストア)」を開設していた姿に惹かれたんです。

この記事に出会ったあなたも、リカさんの想いや活動に触れて、自分たちの未来のための生活と向き合ってみませんか?

 

人間だけの地球じゃない

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ー肉製品を食べない生活スタイルにしたきっかけは、なんだったのですか?

稲葉リカさん:初めはアニマル・ウェルフェア(動物福祉)の観点からでしたね。
3年ほど前に、インスタグラムを通して、家畜の動物たちがひどい扱いを受けている動画を見たことがきっかけでした。その翌日、お肉を使ったお弁当が、美味しく感じられなくて。それから、「もう動物性のものをあまり食べられないかも」と思ったんです。

初めは、牛乳を豆乳に変えたり、卵を使わない料理を作ることから、少しずつ生活スタイルを変えていきました。
元々、気候変動には興味があったんです。きっかけは、小学校で受けた教育だった気がするのですが、地球温暖化でシロクマの住む場所がなくなったりしている画などがショッキングで、その時から関心が高いワードだったんです。
だからこそ、肉を食べることで気候変動を加速させる事実を知った時には、両者への関心が結びついて拍車がかかりましたね

 

ーどちらも関心の起点は”動物”だったのですね。ただ”可愛い”ではなく”愛情深さ”を感じたのですが、そこにはどんな理由が?

稲葉リカさん:それは幼いころから色々な動物を飼っていたからですね。

カメやインコ、ハムスター、犬も飼っていましたし、学校ではヤギを飼っていたり。動物のお世話を通じて命の誕生や死、動物と人間が心を通い合わせることができることなどを学んできたのだと思います。特に犬とは心が通じ合っていた感覚が強く、14年以上兄弟のように過ごした存在でした。そんな経験から”人間だけの地球じゃない”と感じるようになったのだと思います。

 

リアルな食生活って?

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ープラントベースの食生活は、外食などのハードルが高そうに思うのですが?

稲葉リカさん:私はフレキシタリアンというスタイルで生活しています。フレキシブルなベジタリアン、ということですね。
なので、家でお肉などはほとんど食べませんが、外食では選択肢がないならば動物性メニューも選びます。そうでないと、外食は難しい現状があるんですよね。

私の選択や思考で、一緒にいる人にも何らかの規制や強要が生じるのは避けたいんです。日本、新潟はまだプラントベースが用意されているお店は多くないですので。

でも、ドイツのようにプラントベースが浸透している地域では、8割以上の飲食店でベジタリアンメニューが選べると聞きます。日本も、早くそうなってくれるといいですよね。

 

ーより多くの方に対して、選択の自由が行き渡って欲しいですね。それでいうと、ご家庭内のスタイルに関しても、折り合いが難しいなどの課題もよく聞きますが、リカさんはどうされているんですか?

稲葉リカさん:私の場合は、結婚した後に、夫婦でフレキシタリアンになりました。
元々、夫は色々なことをよく調べる人で、初めは私よりもベジタリアンのことをよく知っていたくらいです。

例えば、実はお肉って発がん性が高くて、特に加工肉はタバコと同じくらいの発がんリスクがあるとWHOが認めている、とか。他にも牛乳が日本人の体にはあまり合わない、という研究とかですね。
それらを知った彼は、自分の健康のことを考えて、菜食に興味があったようで、一緒に生活スタイルを変えることで意見が合いました

生活スタイルについては、よく夫婦で話し合ったりするので、元々は一致してはいなかったことでも、気がついたら調整がとれていることが多いです。

 

ー現在、妊娠中のリカさんですが、お子さんの食はどのようにされるのですか?

稲葉リカさん:子どもには、まず全てを食べさせようと思っています。親の考えで子どもに制約をかけるのではなく、おやつなども含め、食べ物においては一旦全部に触れてみてほしいんです。その上で、自分で選択ができるようになった頃に、考えて選択してくれればいいなと思っています。

親が食に制約をかけることで、大人になって解放されてからその制約対象に対して暴走するような話も聞きますし。何に関しても、押し付けは良くないと思っているので。

 

一つのものを、大事に使う

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ー先日のLACCO STOREでの取り組みの背景には、どのような思いがあったのでしょう?

稲葉リカさん:そもそも、私は「サスティナビリティ」が自分のテーマだと思って過ごしています。そんな中、自分の欲しいものが近場で手に入らない経験から、やりたいと思っていたお店が実現した形でした。

最初はサブスクリプションサービスを考えていたんです。でも、それだと日常の生活スタイルを、根本から大きく変えなくてはならず、ハードルが高まってしまいます。もっと身近で、簡単な選択になればと思い、実店舗で運営しました。

実際にやってみて、新潟でもゼロ・ウエイストなどに興味を持ってくださる方が多くいると感じました。思い思いの容器を持ってきて買い物をする新しい体験を、面白がって楽しんでくれる方が多かったんです。

今はポップアップショップですが、いずれは常設店にしたいと思っていて。目標としているのは、京都や東京にある斗々屋さん。LACCO STOREのオープン前には講座も受講していたんです。規模感はどうあれ、新潟でも斗々屋さんのようなお店を選択できる環境を用意したいんです。

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リカさんが開いた、新潟市で初めて「サクティナブル」と「ゼロウェイスト」をコンセプトにしたお店。プラントベースのおやつ、食材を量り売りで販売。

ーLACCO STOREって、なぜ「ラッコ」なのでしょう?

稲葉リカさん:ラッコって石で貝を割って食べるのですが、お気に入りの石を、常に脇にあるポケットのような部分にしまっているんですって。それを知ったとき、かわいい!と思うと同時に、一つのものをずっと使い続けるという習性が、お店のコンセプトにピッタリだと思ったんです

気に入ったマイバックや瓶を繰り返し使ってもらって、ごみを出さないという取り組みの象徴として、ラッコのスタイルを見習ってみましょうってことです(笑)

 

ーリカさんご自身が、プラントベースやゼロウェイストな暮らしを続けられる理由はなんでしょう。

稲葉リカさん:「そうじゃないと気持ちが悪いから」ですかね。例えばごみを出し続ける生活を送って、そのごみが結局どこに行くのかを考えたときに、気持ち悪いと感じるんです。だったら、捨てないほうが気持ちよく過ごせるな、と思うから続けられるんだと思います。

 

できることから一歩ずつ

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ーリカさんのエシカルな選択や活動をもって、周囲やご自身に期待したいことは何ですか?

稲葉リカさん:私は自分の活動で多くの人の行動や思考を変えたいとか変えられるとは思ってはいませんし、自分の思考を押し付けたくもないんです。でも、興味を持ってくれた人がいたときに、それが実践しやすい環境を作っていきたいとは考えてます。

元々、気になったことはとことん探究するタイプなので、環境問題に対して夢中で知識を習得しにいけている一面があります。でも、日々忙しい生活の中で、みんながみんな地球や未来のことについて考える余裕があるわけではないですよね。だから、「私が考えるから、みんなはもっと気軽に一歩を踏み出してみて!」と思っています。

環境活動家の谷口たかひささんの「気候変動に”無関心”でいられる人はいても、”無関係”でいられる人はもういません」という言葉は、私の中でとてもインパクトが強くて。まだまだ環境問題に対する知識も意識も、不足している日本だからこそ、きちんと理解したら、社会が変化する可能性があるってことだと思っています。

 

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今回、取材をさせていただいた稲葉リカさん。

実はLACCO STOREの第2回POP UP出店も決まっているそうです!
“お気に入りの石をずっとポケットにしまって大切に使い続けるラッコの姿”にならって、
私たちも一つ一つのモノや、たった一つの地球、一度しかない人生を大切に、思いやりを持って過ごしていきたいですね。

日時:2023年8月20日(日)
場所:『上古町の百年長屋SAN』
   〒951-8063 新潟県新潟市中央区古町通3番町653
稲葉リカさん
いなば りか|環境活動家


1992年新潟市生まれ。県内の大学卒業後、公認会計士を目指し勉強に明け暮れる日々を過ごす。最終試験に落ちた挫折経験から「残りの人生で自分が本当にやりたいこと」を探すようになり、気候変動に関心を持ち始める。家ではプラントベースフードを中心としたフレキシタリアン。「1人の100歩より100人の1歩」の気持ちで、環境問題への楽しいソリューションを日々模索している。