TOMPLA藤本高史さんの挑戦!ドローンが新潟の暮らしを支える【後編】

TOMPLA藤本高史さん

前編に続き、株式会社TOMPLAの藤本高史さんにお話を伺っています。
本記事では、主に藤本さんのキャリアに対する考え方についてご紹介します。

株式会社TOMPLAやドローン宅配の未来についても知りたい!という方は、ぜひ前編も読んでみてください。

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TOMPLA藤本高史さんサムネイル前編

 

やりたいことをするために、3社を経験して独立

ーこれまでに2度の転職を経験して、TOMPLAを設立された藤本さんですが、その時々の考えをお聞きしてもよろしいですか。

藤本高史さん:転職や起業をするタイミングそれぞれに、一応明確な目的があるんです。その目的やキャリアに対する考え方の変遷をお話しますね。

私は新卒で化学香料メーカーに入社しました。北海道の食品会社や東北の水産加工会社などがクライアントで、商品開発のサポートをする日々。5年ほど働いて、社会人としての素養を身につけさせてもらいましたが、今度は「もっと主体的に社会を変える意識を持ちたい」と思い、社会をデザインできるマーケティングに興味を持ち始めました。

そして1回目の転職で、大手医薬品メーカーのマーケティング部門に入りました。周りはP&G出身者も多かったため、アメリカ流のマーケティングスタイルを学ぶことができました。主に、最終目標(KGI)や中間目標(KPI)を設定し達成するためのロジックなどですね。

マーケティングの経験を積ませていただき、達成率100%の極め方が身に付いてくると同時に、自分自身の次なる目標も見えてきました。「社会に新しい価値を届けてみたい」というキャリアビジョンです。

そう感じ始めてからは「いつかは独立しよう」という意識を持つようになりました。そして、起業家を多く輩出している人材系メディア企業へ転職しました。

入社前から起業家などを多数輩出しているイメージがありました。実際に入社してみても、やっぱり先輩方は独立される方が多いので起業のハードルが下がったと思います。会社としては、特に独立志向を教えていたわけではないんですけどね。

その環境下にいたからこそ、イノベーションマインドを研究したり、アドラー心理学やデザイン思考を勉強するようにもなりました。

 

ーそこからTOMPLA創業のきっかけである、ビジコンへの参加に繋がっていくんですね。

藤本高史さん:そうですね。人材系メディアサービスを通じて、全国のいろんな企業の採用活動やその課題に向き合ってきました。多くの企業を俯瞰で見ることができたのは、すごくいい経験になりましたね。

特に、人材採用を通じて企業が人材に求めるニーズをたくさん学ぶことができました。同時に、人材が必要なのに少子化だから、そもそも人材が少なくなっている社会構造も。そんなところからも、サービスを維持していくために1人ひとりの生産性を上げる必要、代替ロボットを活用していく必要を感じていました。

 

やりたいことができない環境にいるって、たとえ1秒であっても勿体ない

藤本高史

ーそこにもドローンに目をつけるヒントがあったのですね。藤本さんのその開拓者精神はどこからきているのでしょうか。

藤本高史さん:そうですね、一つ言えることはワガママだと言うことです(笑)

やらなきゃいけないと決まっているタスクでも、僕は「これ、やらなくても良くない?」と考えてしまうんです。なぜやらなきゃいけないのか理由を考えるというか、疑問を持つというか。そしてその考えや疑問って、意外と尊重してもらえたりすることもありますよね。

そうやって新しい発想や自分なりの考えはきちんと尊重されるのだから、自分のやりたいことをどんどん突き詰めて世に広めていく方が有意義だと考えるんです。

自分のやりたいことができない環境にいることって、たとえ1秒であっても勿体ないですよね

その時に学びたい、やりたいと思ったことは、絶対にやった方がいい。そして一定ラインを越えると僕は飽きてきます。そして、また疑問ややりたいことが出てくる。それを繰り返すワガママさが、いま「開拓者精神」と言ってもらえているものの正体だと思います。

 

ー「新しいことへの挑戦をする前に、準備をしなければ」と考えて結局準備なんてできずアクションを起こせない人がたくさんいる中、藤本さんは異業種からドローンに挑戦されていますよね。藤本さんが新しい挑戦をする時の思考法みたいなものを教えてください。

藤本高史さん:思考法ではないのですが、僕は浅く広い知識を習得するのが得意なんですよ。

例えば、未経験ながら2社目で医薬品メーカーに飛び込んで、専門知識はないけど自分の携わってる商品の成分や薬品だけは知識を習得するんです。すると、なんとなくのことが分かってきます。突き詰めていこうとすると専門家の領域になるので、そこまではしません。

それは今のTOMPLAチームそのものにも言えると感じています。僕は、ドローンの専門知識はありません。それはエンジニアに任せて、僕の知識や経験はサービス形成の分野で活かせます。私1人だと難しいことも、それぞれが持ってる知識を重ねてチームとして成り立っていければいいんです

 

「やれない理由」なんて存在しない

空飛ぶコーヒー実証実験の集合写真

ー進路ややりたいこと探しに悩む新潟の若者に藤本さんからのアドバイスをください。

藤本高史さん:現在のTOMPLAは、ギルド型の組織です。これは、それぞれが知識やスキルを全国各地から持ち寄る、いわばフリーランスチームのようなものです。

今、急速な社会の変化によって働き方や生き方の価値観も変わってきています。どこでも仕事ができる時代だからこそ、大事なのは「何のために、誰のために」という目的です。自分の心や考えにもっとワガママになって目的を決めていいと思うんです。「何のために、誰のために」働くのかは、みんなそれぞれ自由です。

目的が定まれば、あとは住む場所、やること。でもそれは、なんとでもなります。

「やれない理由」というのは存在しません。「やれる理由」となる目的を探すことに力を注いでみたらどうでしょうか

 

***

 

「新しいことへ挑戦する前に、まず準備をしなければ」と考えて結局行動できない。
過去の私自身がまさにこのタイプでした。

藤本さんのお話を伺って、ハッと気付かされたことがあります。それは、過去の私は「準備をする」という口実を設けることで「やれない理由」を作っていたのだということ。

今の私は、たまたま色んなことが重なって、Uターンも転職もしてここにいます。
そんな今だからこそ、「準備なんて何もいらなかったんだな」と思うんです。

働き方が多様化している今の時代、何のために、誰のために、何がしたいのか、何を学びたいのか、という心の声をシンプルに聞いて、転職や移住だって自由にしてみていいのではないでしょうか。
そのくらい、もっとワガママに生きてみても、誰も困る人なんていないのかもしれませんね。

 

藤本高史さん
ふじもと たかふみ|起業家


北海道北見市出身。静岡大学農学部卒業後、香料メーカーにて地方中小〜大手企業まで幅広い規模の企業への商品コンサルに従事。
中小企業の地域性に応じた事業課題に触れる。2016年よりOTC医薬品メーカーのマーケティング職に従事後、人材系メディア企業で物流事業者等への業務支援サービス開発を主導。労働集約型企業の抱える慢性的な人材不足に触れる中で、人材の労働自体を再定義するドローン産業に出会い、2021年3月にドローン物流を促進させる株式会社TOMPLAを創業。
TOMPLA株式会社HP:https://www.tompla.tokyo/

 

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