昨年、新潟県最大級のイノベーション施設NINNOで開催されたイベント【産産官学Fest Vol.1】
産産官学festとは、地域課題を行政が発信し、地域に根付いた企業や地域になかった企業がその課題に対するソリューションを提案、さらに教育・研究機関が後押しをするという一連の流れを生み出すためのイベント。
ちなみに「産産官学」とは造語で、それぞれの文字は以下を示しています。
産:地域に根付いた企業
産:地域になかった企業
官:地域課題を最も俯瞰的に把握している行政
学:上記の共創を強化・促進する教育・研究機関
【産産官学Fest Vol.2】となる今年は、2/28から始まった【NINNO INNOVATION WEEK 2023】の初日イベントとして開催されました。Vol.1よりも自治体や参加企業が広がり、より一層熱気が溢れるイベントに!
shabellは昨年、”産”の1社として登壇し、2つの自治体とマッチングさせていただきました。
今年はNINNOメンバーとして、登壇はせずに行政ピッチを聞いてご提案をするスタイルでイベントに参加し、糸魚川市とマッチング。
マッチングタイムでは、糸魚川市の抱える課題やそれに対してshabellが提供できるソリューションをじっくり20分間お話しさせていただきました。
この産産官学、そもそもなぜ新潟で始まったのか。
そしてイベントに込められた新潟への期待値、新潟が持ち合わせる可能性とはなんなのでしょうか。
産産官学festが経済産業省の採択事業となった背景や手応え感などを、経済産業省 関東経済産業局の門田さん、近藤さんに伺いました。
なぜ【産産官学】は新潟ではじまったのか!?
ーそもそも、なぜ新潟で産産官学のような取り組みが始まったのでしょうか?
門田さん:以前、産業技術革新課という部署にいた際にスタートアップ関係を担当しており、【J-startup-NIIGATA】を担当していたんです。その時から「新潟のスタートアップって面白いよ!」という話が持ち上がっていたんです。まさにフラーの渋谷さんが新潟へ本社を移転し、イードアの石川さんも新潟にこられるタイミングですね。
また、新潟の花角知事も「スタートアップを応援していく」と発言されていたときでした。県全体をあげてスタートアップを盛り上げようとする動きは、全国的にみてもまだそんなに多くはないときだったからこそ、新潟の盛り上がりに注目しながらお付き合いをしていたんです。
そんな中、地域DXへの取り組みという観点から、新潟を舞台にして新たな動きを起こしていこうとなりました。
そこから本格的に、担当となる近藤がイードアの石川さんらと具体的に動き始めたことがきっかけになったと思います。
ーこの度、産産官学の第2回が開催されたということは、1回目の手応え、そして2回目のさらなる期待感を抱かれていたのかと思います。実際、第2回が開催されてみて所感はいかがですか?
門田さん:まず、昨年参加してみて、このような熱量高いピッチが【地方】で行われている事実に大変感銘を受けました。ここは渋谷なのか?と思いましたね(笑)
ガバメント(行政)ピッチについては、役所の若手職員さんたちが、それぞれの地域の課題感を自分ごととして発表されていた姿が大変印象的でした。それに対するイノベーション企業側のピッチも、各地域からの課題に対する提案がしっかりと準備されており、とても洗練されたオープンイノベーションの場であると感じました。
近藤さん:担当としては、特にガバメントピッチに強い思い入れを持って取り組んでまいりました。
私たち関東経産局地域振興課のミッションは、自治体連携を通じた地域経済の活性化です。ここでいう「自治体連携」には、ガバメントピッチはとても効果的だと思っています。だからこそ、第1回が開催された昨年は参加自治体を募るためにイードアの石川さんと各自治体へ説明をするために、とにかく新潟県内各地を駆けまわりました。
自治体の皆様と、”オープンイノベーションによる地域課題解決の可能性” や ”課題を言語化し発信すること”などについて、泥臭く議論しながら賛同者を増やしていきました。他の地域を見ると、自治体がここまで課題を鮮明にして伝えるのは、出来そうでいてなかなか出来ないものです。
それだけのことが、昨年実現できたんです。
NINNOメンバーの各企業も「素晴らしい取り組みだった!もっと広げていこう!」とおっしゃってくださいましたし、各自治体間でも話題となり、第2回では自ら参加を申し出てくれた自治体がいくつもありました。
まさに”オール新潟”の取り組みとして今後も継続いただきたいですし、県内の様々な自治体や地域企業に一層参画してもらい、課題解決のための共創プラットフォームとして機能させていくことが重要と感じています。
ー参加していない自治体にもぜひ見ていただきたいですね!
門田さん:それは私も思いました!プレゼンをするのはハードルが高いけれど、まずは会場で実際にこの雰囲気を感じてもらい、イノベーション企業側の提案を聞いてみて気になった企業があれば自発的に話を聞きに行ったり。そういったトレーニング・ストレッチのようなアクションを起こしていってもらえれば、これからより一層盛り上がっていくだろうと感じました。
当日【産産官学】の様子
当日のタイムスケジュールはこちら。
【PART1】行政によるピッチ
イベント会場内の様子は洗練されていて、これがガバメントピッチであることに驚きと可能性を感じました!
参加自治体はこちら。
糸魚川市 / 三条市 / 燕市
新潟市 / 南魚沼市 / 妙高市 / 村上市
【PART2】地域企業によるピッチ
地方活性とDXに取り組む地元企業。この1日を通して、ひときわ熱意が炸裂していたのは、このPART2の時間だったと言っても過言ではないかもしれません!
登壇企業はこちら。
株式会社カナヅヤ / 株式会社TREE / 株式会社山崎建設 / 渡辺鉄工株式会社
【PART3】イノベーション企業によるピッチ
県内外から地域の課題解決のためのソリューションを提案するイノベーション企業。
登壇企業はこちら。
株式会社ココロミル / 株式会社KUNO / 株式会社プロッセル
ニジュウニ株式会社 / 株式会社cotree / PXC株式会社
メリービス株式会社 / 株式会社Helte / 株式会社Hajimari
株式会社カヤック / コネヒト株式会社
【Goal/Start】共創ペアの発表
新潟には、想像を超える創造がある
ここ新潟には、イノベーションを生み出し、大きくする循環があります。
起業をゼロからサポートし、「0→1」の場を担う【SN@P】
生まれたイノベーションを何倍にも大きく成長させる、「1→X」の場である【NINNO】
イノベーションの入口を広げ、最初の一歩を応援する、「 →0」の場となる【NINNO3】
NINNO3は、イノベーションに興味を持つあらゆる人に、様々な学びのカタチを提供します。ここで得られたものをきっかけに、ビジネス化に向けた支援をしてくれるのがSN@Pです。そこからさらに各機関・各立場から協働・共創しイノベーションを加速させていくのがNINNO。
つまり、NINNO3を入り口として、SN@Pの支援のもと起業までの歩みを進めることができ、NINNOが提供する機会的サポートによって、新潟で想像を超える創造を作り出していきます。
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”イノベーション拠点を作ったのはいいけど、何をしたらいいかわからず困っている”
ハードはできても、ソフトを作っていくことは難しい。
そんな課題は、各地方でもよく聞く悩みなんだとか。
【産産官学fest】をはじめ、NINNOが生み出すイノベーションは、NINNOメンバー企業だけでなく行政や地域に根付いた企業もみんなが主役として、共創の輪を広げています。
NINNO3、SN@P、NINNOの3拠点をベースとして、行政や各企業が”オール新潟”として織りなすイノベーションのエコシステム。これから益々、多くの地域、機関、人を巻き込んでいくことが、私をはじめniigatabase編集部にとっては楽しみで仕方ありません!
NINNO3をきっかけとして新潟から生まれる、新しい未来の種を、これからもniigatabaseでは発信し続けていきます。乞うご期待!
NINNO(ニーノ)公式HP:https://ninno-plaka.com/
NINNO INNOVATION WEEK公式HP:https://www.ninno-fest.com/
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