新潟移住、そんなに重く考えないで?実際に経験してみて感じる移住のすすめ

新潟・地方移住コラム

今回は過去の取材で伺ってきたお話をまとめ、私なりの「移住するって何なの?」に対する考えをまとめてみました。

ちなみに、私自身は新潟へのUターン移住を経験しています。今の生活を自分ではとても気に入っているので、より多くの人に地方移住してほしいし、ぜひぜひ新潟を移住地に選んでほしいと考えています。よって、この記事では、移住することの良さ、新潟の良さに偏りまくって発信させていただきます。

都会での生活に飽きてきた方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

今回お話を参考にさせていただいたのはこちらの方々です。

鈴木博之さん
すずき ひろゆき|経営者


新潟県出身。2015年に東京都内の10年以上勤めた会社を辞め、新潟市へUターン。その後、株式会社ニイガタ移住計画を立ち上げ、現在はSea Point NIIGATAの運営や移住支援を行う。

星亜矢子さん
ほし あやこ|経営者


長野県出身。株式会社ニイガタ移住計画の共同経営者。多彩なキャリアを活かして、移住や起業イベントにも数多く登壇しており、鈴木さんとともに店舗業務や広報、企画、WEB制作の仕事も担当している。

熊野 礼美さん
くまの れいみ|SUI代表・移住コーディネーター


兵庫県姫路市出身 2014年11月に地域おこし協力隊として佐渡へ移住、空き家・移住者支援を行う。2017年より佐渡UIターンサポートセンターを運営。同年、佐渡初の移住コーディネーターとして活動を開始。

 

大袈裟に感じる「移住」

新潟県佐渡島で移住コーディネーターをされている熊野さんは、「移住」という言葉が与える印象について、こんなことをお話しされています。

移住コーディネーター熊野玲美さん
移住コーディネーター熊野さん
「移住」という言葉が持つ意味が重すぎるなと、「引っ越し」と何が違うんだろうと感じるんです。死ぬまで住むことが決められたわけではないですし。みんなの「移住」に対するハードルが下がって、もっと気軽に行き来できるようになれば良いなと思います。

 

コロナが流行りだす少し前、地方創生を政府が掲げたと同時に、頻繁に耳にするようになった「移住」という言葉。その言葉自体には、よその土地に移り住むという意味があり、引越しをすることと同等の意味があります。しかし、移住という言葉を使うタイミングは、「地方移住」「Uターン移住」「海外移住」などと比較的に長距離の移動を含んだ転居をするときが多いですよね。

そのせいか、私は「移住した」と聞くと「引越した」以上のインパクトを受けるんです。
皆さんも、例えば友人が「地方に移住した」と言ってきたとすると、もう戻ってこないような、将来における住処を大きく変えたような気がしませんか。

でも、移住したからにはそこに骨を埋めなければならない訳ではありません。都会から田舎に移住しようか迷っている方の多くは、覚悟が決めきれずに悩んでいることでしょう。

住んでいる地域を変えることってとても大きな選択ですよね。まして、家族がいればなおさら。
しかし、コロナの流行によって働き方はこれだけ多様化しました。仕事を変えずに住処を変えられるようになった今、自分の選択次第でどこに移住したって良い、移住した1年後に戻ってきたって良い、そんな時代になったと感じます。

ワーケーションしている男性

移住で得られるメリット

では、地方に移住することによってどんなメリットが得られるのでしょうか。
都会を離れ、地方に住むことのメリットをまとめてみました。

①家賃などの生活コストが抑えられる

②満員電車などによって受けるストレスがない

③自然豊かな環境で伸び伸びと生活できる

④各自治体が提供する支援を受けられることが多い

家かお金か

これらのメリットを新潟に移住した場合として考えると、具体的にどうなるのでしょうか?

①家賃などの生活コストが抑えられる

新潟市中央区の1DK相場は約4.9万円です。東京都目黒区の相場8.9万円と比較するとマイナス4万円!(SUUMO調べ)
近年は全国的にも人気な移住地として有名な三条市は4.1万円。新潟市中心部では、最近は車を持たずに生活している人も多くなってきました。都会生活でかかる固定支出とは明らかな差がありますよね。

 

②満員電車などによって受けるストレスがない

新潟では、人が溢れて密集状態になることは滅多にありません。あるとすれば、アルビレックス新潟のホーム試合や長岡花火の日。そのようなイベント時は多くの人が集中しますが、あくまでも一時のこと。日常的に満員電車に揺られるなどのストレスは受けません。

夏の新潟

③自然豊かな環境で伸び伸びと生活できる

冬は真っ白で幻想的な姿を見せてくれる新潟ですが、春は新緑、夏は真っ青な空や海とそれに負けない田んぼや木々の鮮やかな緑、秋は見渡す限りに広がる黄金の稲穂。日本中のどこを探してもこれほどに四季を感じられる土地はないのではないかと思います。

また、新潟県は言わずと知れた農業大国。道の駅などの数も全国4位(2021年時点*1)の多さで野菜の直売所なども多いんです。したがって、近くの産地から美味しくて安い食材が手に入りやすい環境が整っています。単に自然が近くにあるだけではなく、食の豊かさも新潟ならではの魅力ですね。
*1出典:国土交通省「『道の駅』一覧」https://www.mlit.go.jp/road/Michi-no-Eki/list.html

 

④各自治体が提供する支援を受けられることが多い

新潟県や各市町村で実施している移住支援事業は、県内で起業や就業した人向けに支援金交付を行うものや、Uターンした学生の奨学金返還支援などさまざまです。県内のいくつかの移住総合サイトをまとめてみました。

新潟県U・Iターン総合サイト「にいがた暮らし」
https://niigatakurashi.com/

にいがた暮らし・しごと支援センター
https://www.niigatakurashigoto.com/

新潟市移住・定住情報サイト「新潟暮らしはHAPPYターン。」
https://iju.niigata.jp/

各自治体の移住情報ページリンク集(ページ下部)
https://www.pref.niigata.lg.jp/life/3/8/

 

移住はこんな人におすすめ!失敗しないためのアドバイス

地方に移住することのメリットを紹介しましたが、とはいえ万人にとっての楽園なんて存在しません。地方生活に憧れて移住したものの、土地に合わずに戻ってしまう人がいることも確かです。では、どんな人に地方暮らしは向いているのか、土地に合わなくて苦労している人の、その苦しみポイントはどこなのか。シーポイントを運営する鈴木さん、星さんはこんなふうに話してくださいました。

シーポイント鈴木博之さん
シーポイント
鈴木さん
移住生活への満足度ってその地での仕事に対する満足度が影響していたりもします。だからこそ、移住してきてフリーランスとして仕事を始める人などは特に、セールスと人付き合いをバランス良く考えることが重要なのではないかな。新潟の人って「サービスがいい」以前に「人がいい」から入り込むことが多いから、人間関係や信頼関係はとても大事です。だから「売り込み・気合い」から始めるよりもまずは「相手の理解」から入ることが大事。
シーポイント星亜矢子さん
シーポイント
星さん
私は、やりたいことと土地のニーズがマッチしているかどうかも、移住の成功云々には関係しているように思います。新潟って暮らしやすいけど仕事は飽きると聞いたことがあります。クリエイター系の方に多い意見。仕事をバリバリやって稼ぎたい人は苦しいんじゃないかな。自然に癒されたり、家族との時間の確保だったり、お金ではないものを潤したいと思っている方は定住しているような印象ですね。

 

お2人の言葉から、仕事だけを中心としてバリバリやりたい人には新潟って窮屈な場所なんだろうと思いました。
だからこそ、新潟移住は「働いてたくさんお金を稼ぐこと」を第1に求めない人にこそおすすめできるのかもしれません。

 

移住をライトな選択肢として考えてみる

働き方やライフスタイルがこれだけ多様化した社会で、「移住」という言葉の重みはこれからどんどんライトになっていくでしょう。会社によっては、世界中どこにいても仕事ができるというスタイルをとっていますよね。
「やってみようかな」くらいの感覚で移住したって良いのではないでしょうか

また、新潟は県庁所在地が港町として古くから栄え、隣接圏との交流も盛んに行われてきました。そのため異文化も受け入れやすい県民性だとよく耳にします。実際に新潟に住んでいても、他の地域や外国の文化、人に対して開放的な雰囲気を感じます。

冒頭で述べた通り、私自身Uターンを経験して新潟の魅力を日々感じながら生活しています。東京での生活も楽しかったけど、新潟での自然に囲まれた四季の変化を全身全霊で感じるような今の生活には、もっと満足しているんです。しかし、一転しているようですが、このままもう2度と新潟県外には住まないと決めている訳ではありません。私がやったことは、人生を賭けた一大決心ではなく、ただ引っ越してきただけの「新潟移住です。

だから、この記事を読んでくださったあなたにも「ちょっくら新潟に住んでくるわ」くらい、ライトな移住を提案したいと思います。
長期インターンをするように、地方移住を経験し、その土地の魅力や人の温もりに触れてみてはいかがでしょうか。

新潟の夕日

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