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新潟古町の名店「五郎」の社長、和田亮さんに聞く!飲食業の幸せ連鎖ビジョンとは

株式会社IDEAL代表和田亮さん

新潟駅〜万代〜古町エリアの飲食店、「五郎」「十郎」「マテリアルカフェ」「PIQ NIQ(ピックニック)」他、、、新潟市民に愛されるお店の数々を経営している“五郎グループ”こと株式会社IDEAL
今回は、その株式会社IDEALを経営する和田亮さんに取材させていただきました。

「いいものをシンプルに」と素材を生かした料理を提供する五郎グループにはファンも多く、新潟の飲食業界を牽引する会社の一つです。

そんな株式会社IDEALを成長させ続けてきた和田さんですが、実は元スノーボード選手なのだそう。
アスリートから料理人、そして経営者へ。さらに今、コロナと向き合いつつ、どんな将来ビジョンを見据えているのか。
盛りだくさんの内容の中で、和田さんがやり遂げたいことの真意を覗き見ます!

こんな時代だからこそ、あなたはこの記事から、飲食業界の未来に対して何を考えますか。

 

生い立ちと、「新潟」「五郎」との出会い

20代の和田亮さん

東京都新宿区で生まれた和田さんは、ご両親が学校教諭をされており転校続きだったこともあり、周囲に気を遣いがちな子どもでした。小学生時代は習い事三昧の日々に窮屈さを覚えていたのだとか。
そして中学時代、反抗期もあって自宅には帰らずに友人宅を転々と泊まり歩く生活を送ります。

高校生になると、友人3人でお金を出し合って三帖一間のアパート暮らし。夏休みなどの長期休みにアルバイトを詰め込んで収入を確保していました。第3者からすると過酷そうな環境も、ご本人からしたら、むしろ自分で稼ぐことの楽しさを感じ、自分の頑張り次第で生きていけることを学んだ大切な時間だったそうです。
そんな高校生活を経て、大学などに進学をする気は全くなく「好きなことで生計を立てる」という目標のもと、16歳の時に始めたスノーボードでプロを目指すことに。当時、都会の喧騒を離れて暮らしてみたいという憧れと、スノーボードが最盛期直前で和田さん自身大きな可能性を感じていたことなどから、自分自身の目指す道として「絶対にこれだ」という核心のようなものを感じていたそうです。

そうして、スノーボードの練習に打ち込む傍ら、アルバイトで収入を得るという生活がスタート。

そんなある時、新潟県苗場スキー場でのアルバイトをきっかけに新潟へ移住します。当時のアルバイト先の店長に「こっちに仲間いないだろう」と飲みに連れて行かれたのが『五郎』(現在の「旬魚酒菜 五郎 古町店」)だったそうです。その頃、『五郎』の経営者だった西山一栄さんとは元々スノーボードの大会で面識はあったものの、その出会い以降お人柄に魅せられ、慕うようになります。そしてある時、ひょんなことから『五郎』で働くことに

その後24歳の頃、合宿中の怪我でスノーボードを生業とすることを断念します。和田さんはこの時、引退後は飲食店で上り詰めようと、気持ちを切り替えたそうです。実はその頃まではいろんな仕事の道を考えていたものの、一流の会社ではどうしても学歴・経歴がネックに。

でも飲食業の場合は、学歴に関係なく実力次第でお客様を喜ばせることができる!
そして人とコミュニケーションを取ることが好きな自分にぴったりだなと思い、飲食の道でやっていこうと心に決めました。

▷さらに詳しく知りたい人は、下部プロフィール欄のリンクから和田亮さんのnoteへ

人を導く、組織を形成していく上で大切なもの

和田亮さん50歳の誕生祝い

ー和田さんが、人との付き合い方で何か意識されていたことはあるのでしょうか。

和田亮さん:自分が人からされて嬉しかったことは人にしたいと思っていますし、逆に嫌だったことはしないように、という基本的なことは意識していますね。あと、お金の使い道は、人との関係を築く上で意識していることですかね。

私にとって大切なのはお金よりも、人と過ごす時間なんです。1人の時間も好きではあるんですけど(笑)
やっぱり、人と共に生きていたい、社会と関わらずに1人で生きていきたくはないです。少なくとも自分がされて嬉しかったことは自分と関わってくれる人にもしたい。僕と関わっていて損した、とは絶対に思わせたくないんです。

だからこそ、自分だけのモノやコトにお金を使うのではなく、人と美味いものを食べる、美味い酒を飲むコトにお金を使ってきました。
そうして生きてきて、振り返ったら人がついてきてくれて恵まれた人生ができつつある、といった感覚です。

 

ー食と人にお金を遣い、また食と人でお金を得る、循環しているんですね。

和田亮さん:単純に自分が楽しいから、人と美味しいものに囲まれていたかっただけなんですけどね。若い頃から今でも。

若い頃なんて、丸1日お休みの日なんてないくらいに働いて、お金が入ってきたらほとんど使ってましたね。ただし、お金の使い方は理解していると思うので、不思議と遣った分もしくはそれ以上に還ってきている気がします。また、私は自分がエンターテイナーとして先頭に立つのではなくて、人を先頭に立たせることが元々好きだったので、その点が経営者には向いていたのかもしれません。

でも、「人のためにお金を使って社会を良くしていこう」とかそんな素晴らしいことを唱えたいわけではないんです。人間誰しも自己保存の本能ってあると思うので、まずは自分が1番なはずなんです。その次に自分を生かしてくれる人や仕事が大事。だから昔は、とやかく考えずに「みんなとたくさんいた方が楽しいぞ」みたいな考えのもと人と集まって、そこにお金を使っていた、ただそれだけの話なんです(笑)

次第に家族、自分についてきてくれる人のため、さらにその家族のため、など責任と共にお金を稼ぐ意味やその使い方などが定まっていった感じですね。

 

組織を守り、育てる意識

水族館の魚たち

ー社長でありながら、10・20代のスタッフさんたちとも多く関わる上で、どんなことを意識されていますか。

和田亮さん:共通言語を作ることですね。新人研修や若手と食事に行く時などは、自分のバックグラウンドや考えを一方的に伝えるだけでは聞き手も「あぁ、はい。」という気持ちにしかならないですよね。自分を知ってもらったら、今度は相手を知る、そして相手のバックグラウンドの中で共感できるような話題を作っていくことが大事かなと思っています。

アルバイトの子たちといる時だってそうです。彼らの趣味嗜好などに焦点を絞って話を掘り下げると、次第に彼らと私との共通言語、共通話題のようなものができます。それを見つける意識、そして見つけたら大切にしてコミュニケーションをはかっていますね。

 

ーコロナになってからのコミュニケーションは、なかなかこれまで通りにはいかなかったりしませんか。

和田亮さん:まずマスクですよね。表情がわからない。うちの会社には150〜200人くらいのアルバイトがいるのですが、みんなマスクをしているので顔が覚えづらいですね。

あとは飲食店にとって1番大切なことである、お客さんへの接客スキルですね。店員が表情をそこまで出さずにコミュニケーションを取りがちになってしまう気がします。ただでさえ、今は学校の授業もリモートが多い影響で友人ができにくいこともあります。そんな中で、コロナ以前のマスクをしない生活の頃と同じ接客スキルを保つことは大変なことなのかもしれませんね。

 

ーちなみに、飲食業界に入って来る新人の数は減りましたか?

和田亮さん:業界的には圧倒的に減ったと思います。うちでは、最近私が発信することを心がけていて、noteなどで想いや考えを外にも見えるようにしています。あとは専門学校にも年に1度講師として登壇させていただいているので、それらの影響もあってか、人材不足に関する悩みにはそんなに直面していないですね。

 

ー実際のところ、コロナにおいての影響はどのくらいありましたか。

和田亮さん:大赤字ですよね。大赤字だけど、うちはいくつかに分社化していたので補助金で少しは助けられました。
また、テイクアウトメニューを考案したり色々チャレンジはしましたけど、やはりダメージが大きかったので結局はお店の営業を休んでいました。苦し紛れになんとか営業するよりも、休業して助成金対象になった方がまだマシだったんです。

コロナによって我々飲食業は大きすぎる影響を受けましたが、それによってこれからの働き方や生き残り方を深く深く考えざるえない機会も与えられました

 

飲食業界に夢を持ち続けられる環境を

和田亮さんと独立した方々

ー今後のIDEALが目指す将来像は何ですか。

和田亮さん:今、IDEALは小さい組織と大きい組織の両方を兼ね備えるハイブリット型を目指しているところです一つ一つが自立した組織で、それがまとまってスイミーのように大きな集合体になる、これがうちの将来像ですね。

飲食業を1店舗などで小さく経営していたときは、オンリーワンのお店を作れるというメリットがありました。でも、交渉に弱いというデメリットもあります。

一方で、大きな組織になったとき、交渉には強くなるんです。たとえば、電気料金やカード会社への手数料など。1つの会社として新しい契約をするよりも、集合体として契約する方が圧倒的に交渉はしやすい。
しかし、デメリットはルールを増やさざるを得なかったり、ピラミッド型組織の弊害が生じてしまうこと。お給料なども、現場が1番ハードなわけだから、その人たちにたくさんお金を払いたいわけですよ。でもある程度の組織である以上、デスクワークをする中間管理職のお給料が大半を占めてしまったり。
この、大きい組織、小さい組織両方のメリットが掛け合わされるように、ハイブリット型に進んでいるんです。

 

株式会社IDEALの独立支援制度

 

ー今ある店舗を育て、最終的には独立させるということですか。

和田亮さん:可能性としてはそれもありますけど、まずは独立したい人を支援してあげたい、これが第1ですね。
元来、独立というと、1から1人でやっていかないといけない。でもそれってすごく難しいことで、現場でたくさん実績を積んだ人でも、経営となるとすぐには順応できない人だっている。
だから、”うちの優秀な経理とデザイナーが支援するからきみは現場で頑張れ”という形で、会社として独立する人に投資をするスタイルをとっています。

IDEALで働く人は、それぞれが目的を持っていて、みんなが独立を目指しているわけではありません。IDEALという組織に属することや、私を含め、そこにいる人と一緒に働くことを目的とする人だっています。
このハイブリッド姿勢は、決して身内だけで楽しくやろうというのではなく、僕のnoteなどにも書いている「この地球で一番美しいのは人間の個性であり、そしてその人間に奉仕することが人生最大の素晴らしい仕事だ」という考えの具体策なんです

そして何よりも、僕自身が飲食業界で生きてきて今とても幸せなので、幸せな人を増やしていきたいと思っています。

 

ーいわゆる「雇われ店長」のその先を見れた気がします。

和田亮さん:雇われるのが好きな人もいるんです。それはそれでよくて。でも、僕ら(株式会社IDEAL)は模範でいなくちゃいけないと思っているんです。飲食業経営の学校だと思ってます。

それこそ、調理師専門学校の学生さんたちに「将来の夢」を書いてもらったりすると、みんな「独立したい」「お店を持ちたい」と書いてくれているんですよ。しかしそれが1・2年後の社会に出るときになると、そもそも他の仕事を選んでいたり夢を諦めていたりするんです。

私はその”夢”をなるべく応援したいんです。
夢を追い続けられる環境を整えて、その上で自分がどうしていきたいのか、向き合っていってもらいたいですね。

 

***

 

今回は株式会社IDEAL代表の和田亮さんにお話を伺ってきました。
和田さんのいう「人のために」は、友人のために、従業員のために、を超えて、”目の前の人のために”

取材の裏側では、お忙しいにも関わらず資料やホワイトボードを使ってこちらの目線に寄り添ってお話ししてくださいました。
株式会社IDEALには「和田社長と一緒に働きたいから、ここにいる」と言う人が多いのも納得。

ウィズコロナ時代での、これからの飲食業について、冷え切った側面だけではなく、本来飲食業界に強く根付く”人への想いによる温かさ”を感じていただけていたら嬉しいです。

 

和田 亮さん
わだ りょう|経営者


1972年、東京都新宿出身。株式会社IDEAL(イデアル)の代表。古町五郎、万代五郎、十郎、マリスコ、焼NIQ、PIQ NIQ、FIREPITなどの直営店とネットショップ金山、フランチャイズ、飲食プロデュースを手がける。趣味は、外食と旅行とゴルフ。
株式会社IDEAL公式HP:https://ideal-co.jp/
和田亮さんのnote:https://note.com/ryowada563

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