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【新潟で働く】和菓子職人の働き方を徹底インタビュー!

百花園和菓子職人コラムサムネイル

先日、新潟の老舗和菓子屋である百花園の、次期代表太田新太郎さんにご自身のキャリアについてのお話を伺ってきました。
今回は、そのインタビューの中で伺った和菓子職人という職業についてのお話をご紹介します。

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百花園5代目太田新太郎さん

 

近年の製菓志望の現状

和菓子

 

日本人の食生活が欧米化しはじめてからというもの、和菓子よりもケーキ、和菓子職人よりもパティシエの方がすっかり人気となった昨今。

製菓専門学校でも、クラスのほとんどはパティシエ志望。残りは、ここ数年メキメキと伸びてきているパン職人志望の学生なんだとか。和菓子職人を志望している学生はかなり少数派という現状を耳にしました。これには、多少の地域差もあるかもしれませんが、和菓子職人を目指す人が減ってきていることには、おおよそ変わりないと考えます。

こんな現状を聞いて、和菓子職人とパティシエって作っているもの以外の働き方の部分としては、そもそもどんな違いがあるのだろうと疑問に思いました。今回は、何も知らない私が「そこんとこ、どうなの?」と思った疑問を、百花園の次期5代目太田新太郎さんにぶつけてきたので、みなさんにもご紹介します!

 

和菓子職人の働き方

和菓子職人の手

 

ー和菓子職人のワークスタイルって朝早いイメージなんですが、実際の働き方を教えてください。

太田新太郎さん:会社によって働き方はそれぞれ違うと思いますが、百花園では1人1人の役割がある程度決まっていて各自一日のおおよそのスケジュールを書き出してやってもらっています。

朝もその会社によって様々だと思いますが、一般的な企業より少し早いくらいだと思います。
百花園の場合は小さな子供を持つ女性も在籍していて送り迎えなどもあるので、それぞれ出勤時間がまちまちです。

ちなみに百花園では私の父(現代表)が一番早く、言い訳っぽくなりますが夜に製造以外の業務などがある為、私が一番遅いことが多いです。
開店前に商品を揃えなくてはいけないので繁忙期は各自の判断で普段よりも早い出勤になることもあります。

 

職人の世界って厳しいのでは

和菓子職人

 

ー職人の世界は厳しいイメージがあるのですが、率直にどうですか?

太田新太郎さん:昔の職人は厳しくてガチガチの縦社会だったと聞いたことがあります。特に私の祖父は厳しかったようです。
今は時代的な部分ももちろんありますが、父や私の性格的にもそこまで厳しい職場ではないんじゃないかなと思ってます。ただ、商品に関して良くないお菓子は出せませんのでそこは厳しく注意しています。

 

ーその環境が、新商品の開発に良い影響を与えているのかもしれませんね。

太田新太郎さん:若手は技術や知識がまだ浅いところもありますが、私なんかよりもずっと感性が豊かで、新しいお菓子を試作した際などは若手の子たちにも感想を求めたり、アドバイスをもらうことが多いです。
正直にズバッと言われ凹むこともありますが、味や見た目の感想を答えるのも若手にとっては勉強になると思うし、私にとっても若手からの感想で新しい気付きがあり、とても勉強になります。

でも、そういったことは私以外の職人さんも気づいていることなので、みなさんも新しいものは若手も含めて感想を求めたりしているのではないかと思います。職場の環境は、そういったベテランと若手関係なく、職人同士の意見交換や技術提供などをすることによって、良い効果を発揮しますよね

 

時代と和菓子の関係性

ー「和菓子離れ」と言われている近年ですが、そういった現状に対してどう思っていますか。

太田新太郎さん:少し前に「和菓子離れ」という言葉が何かでトレンド入りしたことがあって、私の周囲もざわついていたことがありました。そのような現状に対して、これは和菓子に携わる者が外への発信を怠慢した結果だという厳しい意見もあるようです。
また、若い方からするとそもそも和菓子を食べたことがなく、特に和菓子から離れた訳ではないので「和菓子離れ」という言葉に違和感があるという意見もありました。

実は先日、ある小学校の総合学習で和菓子について教える機会があり、そこで上生菓子を食べてもらいました。すると、その時初めてあんこを食べた子やあんこが苦手な子もいたのですが,「おいしい!」と感動し、「あんこ記念日になった」と言ってくれました。その際にまだまだ和菓子の魅力を伝えきれてないところが沢山あるんだと痛感し、まずは見て触れて食べて感じてもらうことが大切なんだと子供たちに教えられました。

私がこんなことを口にするのは本当におこがましいことですが、確かに、表に出て輝いている人はパティシエの方が多いように感じます。和菓子職人はどちらかというと保守的で、もしかしたらそういった慎ましさが、結果的に和菓子の魅力を伝えきれていない部分に繋がったのかなと個人的に納得する部分もあります。

しかし、和菓子の魅力をより多くの方々に知ってもらおうと尽力されている方も沢山います。近年ではSNSなどで発信して積極的にPRされている方や、今までになかった新しい和菓子の開発をされている方、伝統ある和菓子を今の時代に合わせてアレンジされている方など様々な工夫を果敢に取り組む職人さんや企業さんも多く見受けられます。

 

和菓子とお酒

 

また歴史的に和菓子はお茶の引き立て役で「和菓子=お茶の席」というイメージもありますが、近年は「和菓子とコーヒー」の組み合わせで謳っていたり、紅茶やお酒など新しいイメージを提案する動きが目立ってきました。

逆に、わざわざお茶をたてて飲むということが少なくなってきた昨今、たてたお茶とのペアリングの価値が高まり、改めて見直されているようにも感じます。
さらに「和菓子は健康的なスイーツ」という考えのもと、和菓子を好む方も増えてきています。

「今こそ和菓子を」と積極的に発信する動きが出てきて、和菓子業界も新しい空気が広がっているように思いますね。

 

ー和菓子をより多くの世代に親しんでもらうために、どんなことを伝えていきたいですか。

太田新太郎さん:たまにお客様から、「和菓子の専門店に来て、1つだけしか買わないのは申し訳ない」などと言われることがあります。しかし、我々がネガティブに思うことなどは一切ありません。むしろ、コンビニやスーパーでつい買ってしまいがちな洋菓子を、1つでも和菓子屋の和菓子に変えていただけてとても嬉しいです。

和菓子に携わるものとして、お客様が手に取りやすい、親しみやすい和菓子を作るべく精進して参りますので、ぜひ帰宅途中につい買ってしまうスイーツに和菓子という選択を入れてみてください、と伝えたいです。

 

***

 

今回は「和菓子職人ってハードそう、厳しそう、洋菓子人気の方が強そう」という質問を、和菓子職人の太田新太郎さんに伺ってきました。小学生のような疑問点ばかりでしたが、太田さんお付き合いくださりありがとうございました(笑)

日本でいう「職人」ってとかく、口べた、寡黙でストイック、生真面目などのイメージが付き纏いがち。
私が世間を知らないだけかもしれませんが、やはり「和菓子職人」もついそんなイメージを抱いてしまうんです。

でも、現役の和菓子職人さんのお話を聞いて、「職人」としての働き方も「和菓子」の楽しみ方も絶えずアップデートされていると感じました。

今はこれだけ情報に溢れ、新しいものや人の体験だってSNSを見ればすぐ近くの出来事のように見ることができます。
和菓子に限らず、最近はたくさんの職人さんたちが若者に届けるべく発信をしているのだから、これから進路を選択する若者は、ぜひこの時代の情報量を活用して、たくさん視野を広げてほしいですね。

 

太田新太郎さん
おおた しんたろう|和菓子職人


1982年生まれ。新潟市の高校卒業後、東京の大学に進学。卒業後は、神奈川の洋菓子店にて2年半ほどパティシエの経験を積む。続いて、東京都内の和菓子店で約3年半経験を積み、フランスでのパティシエ修行の後、2012年に家業である百花園に入社。現在、百花園の専務として従事している。
百花園公式HP:https://o-hyakkaen.com/
百花園ECサイト:https://o-hyakkaen.com/hiyorika/

 

記事を掲載した日

2022/09/02

 

   
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