妙高の教育がアツい!?フットワークの軽さを武器に、開かれた教育へ!

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弊社(株式会社shabell)が昨年に引き続き、キャリア教育フォーラムin妙高に携わらせていただきました。

キャリア教育フォーラムin妙高」とは、妙高市内3つの中学校で2年生約230名を対象に、大人の話を直接聞きながら「働く」とはどういうことなのかと向き合う取り組みです。

人工知能、テクノロジーがこれだけ急速に進化している近年。10年後、20年後の社会を予測するなんて難しいことですよね。
でも、そんな未来を歩む若者にこそ、今の大人たちは「働く=ただの労働」と教えてはいけないと思うんです。
「働く」って、もっと自由で、どこで生まれ育とうが自分らしく描いていくことができるはずのもの。
今回は、それを本物の言葉で中学生たちに伝えられる講師陣を弊社から紹介させていただきました。

この記事を読みながら、大人が子どもたちに用意できる教育環境について、考えてみませんか?

キャリア教育フォーラムin妙高

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今年はオンラインとオフラインの両方で開催されたキャリアフォーラム。

プログラムは3部構成。1部は、妙高市からの依頼を受け、昨年のノーベル生理学で医学賞の受賞候補者となられた長谷川成人(はせがわまさと)様。急速に増加しつつある”認知症”にまつわる研究をされている長谷川様からは、ご自身のこれまでのキャリア展開に関するお話を聞くことができました。

2部では、弊社から依頼させていただいた5名の講師による講話を、Zoom上のブレイクアウトルームに別れて視聴しました。

 

今回、講話いただいた5名の講師はこちらの方々です。

 

▼講師の方々のインタビュー記事が読みたい方は、リンクをタップしてください

開業助産師 望月里恵さん

古民家レストランオーナーシェフ 熊倉誠之助さん

アーティスト ユーズさん

旅するクリエイター keiさん

テレビディレクター 高橋紘子さん

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続いて、2部の冒頭で行われた弊社COOの近藤(通称:ヘレン)による講座説明の一部をご紹介します!

 

【ヘレンによる冒頭挨拶の一部】

みなさんこんにちは!
各講師のお話を聞いて頂く前に少しだけ私から話をさせてください。

みなさん、”将来の夢”はありますか?(数人が挙手)

こうして見ると、明確な将来の夢を描けていない人の方が多いですね。でも、それはごく自然なことなのだと思います。夢がなくても、素敵な未来は描けます。
現に私は、今も昔も夢はありませんが、毎日幸せです。私の場合は「夢を追いかけている人を応援する役割」を見つけたからです。

将来みなさんが就く職業は、みなさんが今すでに聞いたことある職業なのか、あるいはまだこの世に存在していない職業かもしれません。職業とは、誰かの困りごとを解決することだったりします。困りごとが変われば職業や仕事だって変わっていきます。誰がどう困っているのかを見つけられたら、それが仕事になっていくでしょう。

今、その未来のためにみなさんができることは、”自分の得意を見つけること”と”出会うことです。
人間の想像は、知っているものの中から繋ぎ合わせたり発達させて描かれることが多いです。

これからの未来は、どんな困りごとが存在するかわかりません。
今日の講師たちの話、大切なのは自分がその話や時間の中で何を習得するかです。
なぜそうしたのか、自分だったらどうするか、新たに知れたことや、よくわからなかったこと、いろんなものと出会って、自分の未来を描くための材料集めをしましょう

 

担当する小出指導主事の想いをインタビュー

ー妙高市は、このキャリアフォーラムにどのような価値を見出しているのでしょうか?

小出指導主事:このキャリアフォーラムは、普段妙高市で暮らす中学生が学校の先生からも周囲の大人たちからもなかなか聞けない話を、オンラインだからこそ聞くことができます。かつ、自身の働き方や生き方を切り開いている方の声ということに、とても価値を感じています。将来、中学生たちがどんな道を歩んでいくのかはわかりませんが、選択をしていく際の一つの材料にはなっていくんじゃないかなと思っています。

 

ー妙高市はどうしてフットワーク軽く、教育でこのような取り組みができるのでしょうか。そして今後の方向性はどのように考えておられるのでしょうか。

小出指導主事:規模が小さいから実現できるのだと思います。だからこのフットワークを生かして、どんどん新しいことにも挑戦していきたいと思っています。

ちなみに今回、「アントレプレナーシップ教育」とは謳っていませんが、お招きした講師の方々はご自身で事業を興した方が多く、社会や自分自身の中から課題を見つけ、それを解決している方がほとんどでしたよね。この方々の声を直接子どもたちに届けることは結果的にアントレプレナーシップ教育にもなっていると思うんです。あとは、子どもたちが将来どんな選択をしていくかですけどね。

 

ヘレン
新しいこともやっていきましょう!行政と面白い・新しいことを共に模索してもらえること、それこそが弊社にとっては今回の取り組みの最大の価値だと思っています!

 

ーそもそも教育において、さまざまな場面で民間の視点を導入して新しいことをしたりするって、とてもハードルが高いことのように感じるんです。小出指導主事は、実際にキャリアフォーラムをご準備される中で、そのハードルの高さを感じることはありませんでしたか?

小出指導主事:私自身、民間企業の方々などと共に教育を作っていきたい気持ちは元々あったんです。でも、どうやってshabellさんのような企業と繋がったらいいのか分からなかったんです。shabellさんとのご縁は、たまたま妙高市の企画政策課と御社の繋がりがあったから、今に至るのですよね。

行政側として思うことは、人との関わりをどう生むか、そして関わったことの財産をどう使うかが大事、ということです。

日々の業務の中で、うっかり埋もれてしまいそうな自分の中のクリエイティブさを、民間企業や人との出会いの中で、絶やさずに探っていきたいですね!

 

ー今後もこのような取り組みは続けていきたいと考えていますか?

小出指導主事:私は続けていくつもりです!オンラインも交えているから、続けていけるとも思っています。

やり方は、今回や従来のものにとらわれずに、もっと模索していきたいですね!
アントレプレナーシップのような起業マインドを醸成するようなグループ活動や、もっと相互で探求できる形式にしたり、高校生にも広げたり、やり方はまだまだたくさんあると思います!

 

これからの教育に期待したいこと

この記事を読んでくださった方に、届けたいテーマは2つ。

まず、VUCA(予測不能)と言われる時代に、自分らしい働き方を体現している大人の言葉を届けることの有意性です。
自分の好きなことを生業にしている大人、好きではないけど得意だから比較的ストレスフリーに働いている大人、ストレスを抱えながら働く大人。大人が働く姿や仕事と向き合う姿勢は様々です。
子どもが思い描く「働く」には、周囲にいる大人の姿が大きく影響します。だからこそ、さまざまな大人と出会うことには大きな価値があるのではないでしょうか。

もう1つのテーマは、オンライン環境が充実した今、格差を生むのは”地域“ではなく”意識”だということ。
妙高市が行ったキャリア教育フォーラムは、オンライン環境さえあれば、どこでも再現可能です。もう我々大人の子ども時代のように、地域格差に囚われてはいません。どこにいても、誰とでも繋がれる、声が聞ける、遠隔で勤務することもできる、そんな時代です。ということは、教育を作る大人の意識次第で、教育環境に格差が生まれてしまうということでしょう。

私も子を育てる親なので、あえて言葉を飾らずに個人的な意見を言いますが、

“開かれた教育環境”に育った子どものみが、時代の変化など関係なしに、”自分らしい生き方”をしていけるのではないかと思うのです。

家庭教育、学校教育、、、子どもは箱の中だけでずっと生きていくわけではありません。
箱の固執する意識を取っ払って、地域、多くの人、世界、広い価値観に触れる環境を整えてあげたいですね。
その中で自然と育っていった子どもこそが、”自分らしさ”を見つけていけるのではないでしょうか。