【Uターン】挑戦している人を応援したい!リプロネクストの想い

株式会社リプロネクストの藤田献児と高橋沙弥

今回は新潟市にUターンをし、株式会社リプロネクストを設立された藤田献児さんと、同じくUターンをし、リプロネクストの広報としても活躍している高橋沙弥さんにインタビューを行いました!地方で起業をするということ、そして新卒でUターンをした理由、2人の目線から「地方で働く」ということに対して赤裸々に語っていただきました。

「仕事を頑張りたい。」「ライフワークバランスを大事にしたい。」「いつかは故郷に帰りたいと考えている。」そんな思いを持つ人に特に読んでいただきたい記事となりました。

 

いつかは生まれ育った新潟へ」Uターンして出会ったキャリア

ー藤田さんはUターンで新潟に戻られたとのことですが、どんな背景があったのでしょうか。

藤田献児さん:僕は新潟市の江南区出身で、大学進学を機に東京に上京しました。卒業後も、まずは関東でキャリアを積みたいと思い、IT系の広告業界に就職したんです。そこから2社ほど転職を経験し、プロバスケットボールチームの営業や、広告営業など、営業を中心にキャリアを積みました。そして、27歳で新潟の地に戻り、株式会社リプロネクストを設立しました。

 

ーなぜ「新潟」で、そして「起業」をしようと思われたのでしょうか。

藤田献児さん:もともと学生の頃から、起業したいという思いは漠然と描いていたんです。そんな時に、「人生は約3万日」ということを知り、もうすぐ生まれて1万日だなということに気づいて。やりたいことがあるのであればすぐに行動しなければ人生はすぐにあっという間に終わってしまうと思ったんです。

また、節目を迎えるにあたって、これからはお世話になった人に還元できるような人間になりたいと思い、生まれ育った新潟の地で起業することを決めました。

 

ー還元したいという思いから、Uターンを選ばれたんですね。

藤田献児さん:そうですね。東京にはたくさんの会社があり、「なぜ東京ではなく新潟市に戻るの?」という声もありましたが、地元である新潟に活気を取り戻して、良い流れを作りたいという思いは強かったですね。働く場所や起業をする上で、「地方より東京が良いはずだ」というネガティブイメージを変えたくて、僕の手で成功事例を作ってやろう!と心に決めたのを覚えています。初めはたった1人でのスタートでしたが、人数も10名ほどに増え、この会社も今年で6期目を迎えました。

ーどのような事業を行っているのでしょうか。

藤田献児さん:広告業界で働いていた経験があるので、「PR」に携わるような事業を行いたいという思いがありました。そして新潟に帰ってきて気づいたことが、新潟はもちろん地方には優れた技術やサービス、プロダクトがたくさんあるということです。ですが、大企業のプロモーションに勝てず、選ばれないで終わってしまうという現状を目にしたことから、地方で同じように挑戦している人をPRすることで、応援しようと決めました。そういった思いからできた株式会社リプロネクストは「リアルを届けるWebマーケティング会社」です。魅力をインターネット上でリアルに発信するために、実写VRコンテンツ制作、オリジナルVRゴーグル制作、動画・映像制作、Webマーケティングを事業とし、企業・サービス・商品の魅力を発信する支援を行っています。

次に、高橋さんのお話を聞かせてください。高橋さんもUターンで新潟に就職をされたんですよね?

高橋沙弥さん:はい。私は、新潟県の魚沼出身で、大学進学を機に上京しました。代表の藤田と異なる部分でいうと、社会人一年目から新潟に戻ってきたというところですね。1社目は目指していた出版業界に入社をしました。その後は転職をし、新潟のグループ会社で広報を経験し、2年前にリプリネクストに転職をしました。

 

ー新潟に戻ろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。

高橋沙弥さん:就職活動の時に地元新潟か東京かという選択肢で悩んでいたんです。せっかく上京したのだから東京で数年は働いてみたいという思いがありつつも、いつかは必ず新潟に帰りたいと思っていたんです。やはり家族も居ますし、大切な故郷なので。そして新潟と東京で就職活動をしていましたが、志望業界への内定を頂けたので、早めに戻るのもありかと思い新潟に帰ってきました。

大体の友人は、東京に進学をして、そのまま帰ってこないパターンが多いので、私のようなケースは稀だったと思いますね。

 

ー高橋さんがリプロネクストさんに入社をしようと思ったきっかけを教えてください。

高橋沙弥さん:前職のグループ会社では、飲食や福祉、教育業界など幅広い法人を抱える広報室で働いていたんです。そんな環境で仕事をしているうちに、もう少し狭く深く、広報活動ができたらなという思いが湧いてきて。転職をぼんやり考えている時にインスタのストーリー広告で広報を募集しているリプロネクストを見つけました。詳しく調べてみると、社員がSNSで積極的に発信をしていて、そこから見える雰囲気に惹かれて、応募をしたんです。

それまでIT業界のベンチャーは考えたこともなかったので、偶然の出会いですね(笑)自分の選択肢って、やはり見えている視野の範囲で決断をするので、限られてしまうものだと思うんです。そういう意味では、「リアルを届けるWebマーケティング会社」という会社のビジョンを実際に体験して入社をしたので、広報の可能性という部分でとても刺激を受けましたね。

 

地方ビジネスは、まず人に寄り添うこと  

ーお二人とも、Uターン人材として新潟市でご活躍されていらっしゃいますが、新潟に戻ってきた時のギャップはありましたか?

高橋沙弥さん:ありますね。それこそ上京する友人は皆、「新潟って何もない」とよく言うんです。私も、新潟より都会のほうが刺激的だ!と思っていましたが、社会人になって戻ってきて、そんなこともなかったなと気づきました。良い意味のギャップですね。情報誌を作るという出版業界に就いたというのも大きいですが、新潟ならではの魅力ってたくさんあるんですよ。ディズニーランドのような大きいテーマパークこそありませんが、面白い会社がたくさんあって、ご飯が美味しくて生活が豊かになって、自然が美しくて、、こういう側面って実は一番大事なのではないかと感じたんです。生活に潤いを与えてくれますし、住みやすいんですよね本当に。

藤田献児さん:地元新潟で、地域に貢献したいなと思って会社を設立しましたが、自分がやっていることが本当に地域のためになっているのかわからなくなってしまったことがありました。「地域活性化」という言葉はよく使われますが、自分がするべきだと思っていることと、地方の人のニーズにギャップを感じたんです。外からの要素を取り入れるのって、簡単なようで難しいんですよね。例えばWEB広告の提案をした時に、「紙のチラシが良いんだよ」と言われることがあったり。その時に「絶対に今はWEBですよ!」って自信を持って言えなかったんです。本音は違うと思っているのに、その仕事を引き受けてこなしている自分がいて。上手く行かないなあと心が折れてしまいそうになった時がありました。

 

ー地域の人に寄り添いながら一緒に模索することが大切ということですね。

藤田献児さん:そうですね。その土地にはその土地ごとの生き方があるんだということも新潟市に来て学びました。自分ひとりよがりはだめだと。すべてを取り入れようとするとやはり受け入れられない人は出てきますよね。でも、これが悪いことだとは思っていなくて、自分に置き換えて考えてみたら納得できました。知らない人から、いきなり「こっちが正しいよ、これをやりましょう。」と言われたら、正しかったとしても受け入れられないですよね。物事を進めていく上で、やはり順番があるんだなと気づけた経験でしたね。

 

社会にインパクトを与えたいなら地方が最適!

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ーお二人の今後の目標を教えてください。

藤田献児さん:地方に貢献できるような会社にしていきたいというのはずっと思っています。新潟だけでなく、地方の課題解決まで、手を伸ばしていけたら素敵ですよね。そのためにも、PRを通して情報を届けていくことで、地方の魅力を伝えたいなと思っています。

地方でVRを推進していきたいという話をすると、「どうして地方なの?」と、よく言われるんです。日本が抱える課題にも繋がりますが、僕は地方の衰退は日本経済の縮小に繋がってしまうと考えています。課題解決のためには、「県外の人にプロダクトを売る」そして「県外の人に訪れてもらう」、この2つが必要です。でも、一度も行ったことのない場所にいきなり「行け」と言われても、ハードルを高く感じてしまうじゃないですか。そこを、”インターネット上でリアルな魅力を届ける”ことができれば、人が集まり、プロダクトを使ってみようと決断するきっかけにもなると思うんです。だからこそ、僕は地方で成功させたいですね。

高橋沙弥さん:やはり新潟の魅力をもっと発信していきたいなという想い新潟市に帰ってきてからどんどん大きくなっていますね。新潟って、縦に長いじゃないですか。本当に色んな魅力が土地ごとにあるんです。なので、広報としてはSNSを使って発信を続けていきたいですし、リプロネクストとしてはリアルを届けるというミッション達成に向けて、走り続けたいと思っています。本当に良いものを、まだ知られていない魅力を、一人でも多くの人に届けていきたいです。地方の人口減少問題に対しても、会社を通して課題解決をしていきたいですね。やはり、就職や進学を機に新潟から外へ出ていく人は沢山います。「出ていってしまった」というネガティブなイメージは地方にはつきものだと思います。ですが、私のように「いつかは新潟に帰ろう」と考えている人もたくさんいると思うんです。その人達が新潟で活躍するイメージが湧くように魅力を伝え続けていけたらと思っています。

ーお二人の実体験からU/Iターンに興味を持つ若者へメッセージをお願いします。

藤田献児さん:“仕事を頑張りたい=東京に行く”という考えを持っている人は多いと思います。ですが、仕事を頑張るなら地方の方が絶対にいいと僕は思っています。仕事以外のストレスがまったくないんです。例えば満員電車がないとか、自然が近くにあるとか、ご飯が美味しいとか。ライフワークバランスは圧倒的に地方の方が良いです。

一方で、東京での経験ももちろん糧になると思っています。色んな職を色んな場所で経験しやすい時代だからこそ、柔軟に自分のキャリアを考えて、選択してみてほしいです。

高橋沙弥さん:私は東京で働いた経験がないので、働くならどっちが良いかという比較はできませんが、Uターンをしてよかったと思っています。まずは身近な人の笑顔を作りたいと考えているので、その距離感は地方ならではかなと思いますね。目に見える人の幸せを感じられる環境で仕事をすることがモチベーションにも繋がっているなと感じます。そして、社会にインパクトを残したいと考えている方にとっては、地方は最適な場所だと思います。地方って、良くも悪くも大きくないので、個々の影響力が目立つと思うんです。同じ量頑張って活躍したら、地方の方がスポットライトは当たりやすいのかなと。コロナの影響も相まって、ますます地方は活性化していくべきですし、していくだろうなと思っています。そうやって挑戦しに来た若者を、リプロネクストを通して応援していけたら幸せです。

***

今回は、新潟にUターンをして、株式会社リプロネクストという会社を経営されている藤田献児さん、そして同じくリプロネクストで広報として活躍している高橋沙弥さんにインタビューをさせていただきました。

shabellbaseでは今後も新潟に関する記事を掲載していく予定です。地方での起業やU/Iターンを考えている方は、次回の投稿も是非読んでみてください!

藤田献児さん
ふじた けんじ|経営者


1989年生まれ。新潟市出身。大学卒業後は東京の広告代理店へ入社。その後、「新潟で地域のためになる会社を創りたい」と新潟へUターンをし、2017年に株式会社リプロネクストを設立。

株式会社リプロネクストHP:https://lipronext.com/

高橋沙弥さん
たかはし さや|広報


1991年生まれ。魚沼市出身。國學院大学を卒業後、新卒で新潟へUターンし、地域情報誌の編集部に配属。
その後グループ企業の広報を経て、2020年4月にリプロネクストに入社。現在は広報として、
オウンドメディア運用による集客と、会社の認知拡大に向けて情報発信を担当している。

 

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